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山脇由貴子心理オフィス

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営業時間:12:00~19:00(最終予約) (土日も予約可)

電話番号:03-3248-8813

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ちょこっと心理学

夫婦のすれ違いが生まれる理由~夫婦の会話がない・夫への不満の心理学的分析~

2017年09月15日

夫婦のすれ違いが話題になっているそうですね。
話題になっている漫画もあるそうで、
先週のフジテレビの番組「ノンストップ!」でも
取り上げられていました。

私が児童相談所で働いていた頃も、
子どもの問題やお母さんが子どもを可愛がれない原因が
実は夫婦関係にあった、という事はありました。
今でも、ご主人への不満を抱えている女性は
オフィスにカウンセリングにいらしています。

夫婦のすれ違いの原因、私なりに分析すると・・・

例えば、奥さんは、今日すごく嫌な事がありました。
ママ友と喧嘩になったとか。
職場で同僚に悪口を言われているのを知ったとか。

話を聞いて欲しい!
そんな気持ちでご主人の帰りを待っています。
そして帰って来たご主人に
「ちょっと聞いて!今日、すごく嫌な事があって!」
と話をします。
すると、一通り話を聞いたご主人が言うのです。
「それは、お前も悪かったんじゃないか?」

これ、とってもよくある話です。
でも、ご主人にすれば、
「良かれと思って」
なんですね。

日本人の男性というのは、特に子どもや奥さんに対して
「正しいことを言わなくてはいけない」
「アドバイスをしなくてはいけない」
と思っている人がとても多いのです。

だから、奥さんと娘さんが楽しそうに
テレビ番組の話をしていたりすると、
急に娘さんに向かって、
「お前、ちゃんと勉強はしてるのか!」
とか言い出すののです。
だからお父さんは嫌われちゃう。

つまり、嫌なことがあった、と話している奥さんに対しても
同じような思いをしないように、という
良かれと思ってのアドバイスな訳です。

でも、奥さんにすれば、
「あなただからこそ、聞いて欲しくて
 分かって欲しくて、一緒に怒って欲しかった」
なのです。
奥さんにとって、今日あった嫌な事は、
まだ心の中で終わってないんです。
ご主人に、
「それはひどいよな」
と共感してもらえれば、終わりに出来たのに。

なのにお説教なんて、だったら、もう2度と話なんかしないから!

そういう気持ちになってしまう訳です。
だから余計に関係が悪くなってしまう。

なので私は、とにかく世の結婚している男性に
「奥さんの愚痴はきちんと聞いて、
 最後に共感してあげて下さいね」
とお話しています。
これこそ、夫婦円満の秘訣。

実践して下さった男性は、実際、夫婦仲が良くなった、
と実感して下さっています。

男性のみなさん、女性の話には共感してあげて下さいね。

下北沢書店B&Bのトークイベント、無事終わりました。

2017年05月29日

トークイベント 修正2

先週の金曜5月26日、下北沢の書店B&Bで
フジテレビの福原伸治さんとトークイベントをしました。
好評でした。

話した内容は
・死にたい女
・常に悩んでいる女
・暴れちゃう女
・メールテロ女
・頑張り過ぎる女
・頑張らないのが許せない女
・片づけられない女
・何も決められない女
・殴られる女
・常に支配される女
・常に支配する女
・なんでもかんでもやりたがる女
・自己評価が高すぎる女
・うつアピール女

こういう女性達の心理分析と関わる際の対策をお話しました。

意外に男性たちが知らなかったのが、
女性が男性に悩みを相談する時って、
相手と近づきたい、口説きたいと思っている時、という事でした。
男性は気づかないんですね。

「本当に悩んでいるのか、その見極めは?」
と質問されたので、
「『なんで俺に相談?』という相手からの相談は
 何か下心があるはず。
 特に家族の悩みについて相談されたら要注意。
 結婚狙われているかも、です」
とお答えしました。

他にも、心理テストで何が分かるかや、
児童相談所での経験、虐待、心理学の話もさせて頂きました。
好評だった部分は、ブログでも紹介して行きたいと思っています。

まずは来て下さった方々、本当にありがとうございました!

5月26日金曜日、下北沢の書店「B&B」でフジテレビの福原伸治さんとトークイベントをする事になりました!

2017年05月10日

今日はイベントのお知らせです。

今月、5月26日金曜日、下北沢の書店「B&B」で、
フジテレビスタッフの福原伸治さんと
トークイベントをする事になりました!
テーマは
「病まない女はいない~占いに頼らず心理学で」
です。

内容としては、今話題の「メンヘラ」を含め、
現代の女性達の悩みとその解消法についてです。

福原さんは、フジテレビで、
「アインシュタイン」
「ウゴウゴルーガ」
など、前衛的な番組をたくさん演出された方で、
ツイッターのフォロワーも多数です。
おしゃべりも上手な方なので、
なかなか楽しいイベントになると思います。

詳細とお申込みは以下のB&Bホームページをご覧ください!
皆さん、ぜひおいで下さい!

山脇由貴子×福原伸治「病まない女はいない〜占いに頼らず心理学で〜」『告発 児童相談書が子供を殺す』(文春新書)刊行記念

ノンストップ、生出演しました「新世代モンスターペアレント」

2016年10月20日

ノンストップ画像

フジテレビのノンストップ、生出演して来ました。
「あなたの知らない世間」というコーナーで、内容は「新世代モンスターペアレント」。

新世代モンスターペアレントの特徴としては・・・
1.モンスターペアレントの親に育てられた子ども世代が親となり、
  学校を追い込んでいる。
2.家族総出で学校に苦情を申し入れる。
  怖いですよね。でも、もともと、新世代モンスターの親は、元祖モンスターなわけで、
  すぐに一緒になって学校に乗り込む、というケースが増えているのです。
  議員や、弁護士、遠い親戚なども連れてくるケースも増えています。
3.クレームの内容が次第に変わってゆく。
  具体的には、「学校が古い」→「校舎を建て替えろ」「うちの子だけ、職員室のトイレを使わせろ」「担任を変えろ」など。
4.学校への苦情はストレスの発散
  先生に対する意識が変化してきており、「私たちの税金で給料をもらっている」と考える親も増えています。
  なので、店員に文句を言うのと同じように、苦情を言うのです。
5.先生が辞めるまで追い詰める
  モンスターペアレントによって、辞職や休職に追い詰められる先生が増えています。
  それは、新世代モンスターペアレントは、ストレスの発散が目的なのですが、一方で、その自分の抱える
  ストレスの原因が分かっていないので、自分でもゴールが分からず、結果、先生が辞めるまで追い詰めてしまうのです。
  「先生にセクハラされた」という嘘を校長に伝えたり、先生の転勤先にまで伝えたり・・・先生の人生を破滅させかねない事まで
  するのが新世代モンスターペアレントです。
6.ターゲットは学校の先生だけじゃない!習い事の先生も。噂をSNSで拡散します。
  新世代モンスターペアレントは習い事の先生もSNSで悪い噂を拡散します。
  習い事は先生にとっては生活が懸かっている商売です。生徒を減らしたくないあまり、親の習い事時間外までも
  「子どもを預かってくれ」という要求に従わなくてはならなくなり、その噂が広まってしまい、託児所代わりに使われ、
  お教室を閉めざるを得なくなった先生もいます。

 そして、新世代モンスターペアレントは、仲間を増やす事、つまり同調してくれるママ友などの味方を増やす事で、
 「自分のしている事は正しい」と自分の行動を正当化してゆきます。
 一方、同調して仲間になる親には新世代モンスターのターゲットになることを恐れている人もいます。
 子ども社会のいじめと同じです。
 そして、2世代で学校にクレームを入れる家族も、実は夫は、妻の言うことが「おかしいな?」と気づいていたり
 するのですが、反発すると、妻と妻の両親に自分が攻撃されるのを恐れて、同調する男性もいるのです。

 モンスターペアレントに関するご相談は増え続けていますし、職場研修の依頼なども増え続けています。
 これからのことも、ますます心配です。

 

高畑淳子長男強姦致傷事件~必要なのは育て直し~

2016年09月05日

先日ブログに書きましたが、高畑淳子さんの長男の事件の報道が続いています。
高畑淳子さんの謝罪会見の必要性や芸能界に戻ることについても議論されています。

私は、芸能界の人間ではないので、謝罪会見の必要性については分かりません。
ただ、高畑淳子さんが責められ続けるべきではない、と思うのは、
先日ブログに書いた通りです。

でも、今一番高畑さんがしなくてはならない事は、長男の「育て直し」なのだと思うのです。
ご自分の子育てを振り返り、何が間違っていたのか、
ご自分の母親としての行動の何が、どんな風に長男の行動に影響を与えたのか。
そしてこれから母親として、どうやって育て直しをすれば良いのか。
長男の裕太容疑者は、社会で生きていく上でのルールや
自分の行動への責任の取り方など、学べていないはずなのです。
あるいは何かを間違って学んだはずなのです。

私のオフィスにも30歳を超えた息子の家庭内暴力で悩むお母さんが相談に来ています。
子育てを振り返ってもらい、お母さんのどんな発言が、行動が、今の子どもの問題につながっているのか
を理解して頂きました。
お母さんの子育ての何が、「暴力」で意思を通そうとする行動を学ばせてしまったのか。
遅すぎる事はありません。
私はそう言い続け、息子さんにどう接してゆけば良いか、
年齢相応の大人として、自立して生きてゆくために、今から何を学ばせたらいいのかを
アドバイスし続けました。
お母さんは私のアドバイスをきちんと実行してくれたので、
息子さんの暴力はすっかり解決しています。

年齢的には大人でも、自立できていなくて、お母さんに甘えて、依存している大人はいます。

高畑淳子さんの子育ての間違いは、
愛し過ぎたこと。
手をかけ過ぎたこと。
息子を大事にし過ぎて全ての責任をお母さんが負ってしまった事。

愛し過ぎたあまりなのだと思います。
でも、だからこそ、これから、長男が自立した、自分の行動に責任の取れる大人になる為に、
高畑淳子さんは母として育て直しをしてあげることが必要なのだと思います。

大人の育て直しはお母さんだけではとても難しいことです。
高畑さんが専門家の力を借りて、育て直しをしてゆけるといいな、と思います。
子どもがいくつであっても遅すぎる事はないから。
そして育て直しは親にしか出来ないことだから。

子育てチェックリスト、解説です。

2016年08月18日

□ 子どもの誉めるところが思いつかない
  ➡誉めるところは必ずあるはずです。
   子どもは誉めてあげないと成長出来ません。

□ 子どもを「可愛くない」と思ったことがない
  ➡これはとても良いことではありますが、無理はしていませんか?
  「可愛くない」と思う瞬間があっても、自然なことです。
   大事なのはそう思ってしまった時にどうするか、です。

□ 子どもと別々に食事をすることが多い
  ➡食事はコミュニケーションとして大事なだけではなく、一緒に同じものを食べるのは大切なことです。ご夫婦も同じです。

□ 夫婦喧嘩の原因は子どもに関することが多い
  ➡子どもの前での夫婦喧嘩は子どもを傷つけます。自分のことが原因であれば、なおさら傷ついてしまいます。

□ LINEに夢中になってしまう
  ➡「お母さん、うちにいる時携帯ばっかりいじってる」たくさんの子どもから聞いた言葉です。
    子どもにとっては寂しいことなんです。

□ 出来る限り長い間スキンシップをしたい
  ➡スキンシップは大切ですが、お母さんとの関係は外の人とどういう関係を作るかの
   ベースになります。年齢相応、を大切に。

□ 子どもの前で「お金がない」と言ってしまう
  ➡夫婦喧嘩同様、子どもは傷つくし、不安になります。子どもの前では言わないように
   したいですね。

□ 気が付くと、1日中叱ってばかりいる
  ➡叱ってばかりいると、子どもはさらに悪いことをするようになるリスクがあります。
   最初の項目と同じです。誉めるところを探しましょう。

□ イライラの解消手段がない
  ➡お母さんが楽しそう、は子どもにとって一番大切です。

□ 子育てで分からないことがあるとネットで調べる
  ➡ネットで調べるのは便利ですが、間違った情報もあるので気を付けたいですね。

□ 慢性的に睡眠不足である
  ➡睡眠不足は体調も悪くなるし、イライラの原因にもなります。難しいかもしれませんが、質の良い睡眠は大事です。

□ ママ友からの誘いを断れない
  ➡ママ友付き合い、大切ですが、負担のならない範囲にとどめたいですね。

□ 教育費のために毎日倹約している
  ➡倹約は大事なことですが、倹約し過ぎて、かつ子どもに成果が見えないとイライラしてしまうかも。
   子育てを楽しむ余裕は持っていたいですね。

□ 祖父母(自分自身の親や夫の親)に、子育てについて注意されることが多い
  ➡お母さん自身が落ち込みますよね。気にしないわけにも行かないし。でもストレスとしてはかなり大きいはず。

□ 自由な時間がほとんどない
  ➡お母さんとしては仕方がないことでもありますが、お母さん以外の役割を持つことも大事です。
   旦那さんに協力してもらって、自由な時間を確保したいですね。

以上が解説になります。
さらに詳しい解説を知りたい方や、「じゃあどうしたら?」と思われた方は、ぜひお問合せ下さい!

子育てチェックリストです。

2016年08月17日

今日のテーマは子育てチェックリストです。
子育て中の方、ぜひ、試してみてください。

□ 子どもの誉めるところが思いつかない
□ 子どもを「可愛くない」と思ったことがない
□ 子どもと別々に食事をすることが多い
□ 夫婦喧嘩の原因は子どもに関することが多い
□ LINEに夢中になってしまう
□ 出来る限り長い間スキンシップをしたい
□ 子どもの前で「お金がない」と言ってしまう
□ 気が付くと、1日中叱ってばかりいる
□ イライラの解消手段がない
□ 子育てで分からないことがあるとネットで調べる
□ 慢性的に睡眠不足である
□ ママ友からの誘いを断れない
□ 教育費のために毎日倹約している
□ 祖父母(自分自身の親や夫の親)に、子育てについて注意されることが多い
□ 自由な時間がほとんどない

みなさん、いくつあてはまりましたか?

実はこのチェックリスト・・・

1~3つ当てはまった方→子どもへの接し方、少し気を付けた方が良いかも・・・

4~6つ当てはまった方→少しずつで良いので、子育てを変えてみましょう

7つ以上当てはまった方→今日から子育てを変えましょう!子どもが荒れちゃうかも!

という結果なのです。

1つ1つの項目についての詳しい解説は、明日ご紹介します!

大阪 乳児揺さぶり重症事件~揺さぶられっ子症候群~

2016年07月10日

大阪で、生後3か月の赤ちゃんを揺さぶって、重傷を負わせたという事件が起こりました。

実は、とっても多いんです。
揺さぶられっ子症候群。
シェイクンベイビーシンドロームとも呼ばれています。
昔は虐待とはされていませんでしたが、
今は虐待として知られています。
乳幼児突然死も、かなりの割合で虐待が含まれているという事も知られるようになりました。

今回の大阪の事件は、数か月前にも頭部に骨折していた、との事で
日常的に虐待されていたのではないか、と報道されています。

ですが、揺さぶられっ子症候群の中には、
本当に、あやすつもりで、遊びのつもりで、
赤ちゃんを揺さぶったり、高い高いしていて、
赤ちゃんの頭の中で出血が起こってしまう、という事もあります。

どの程度の力で、赤ちゃんが怪我をするのか、
知らない親御さん、とても多いのです。
赤ちゃんの頭って、ものすごく柔らかいので。

バギーをすごいスピードで走らせる事で、頭蓋内に出血が起こることもあります。
以前働いていた、児童相談所では揺さぶられっこ症候群の赤ちゃんに
たくさん出会いましたが、多くのお父さんお母さんは
「原因が分からない」
と言っていました。
最終的に原因が分からない事も多かったです。

育児に関して、ネットで調べるお母さんも増えました。
それは一つの手段ではあるけれど、
やはり丁寧に子育てについて、赤ちゃんの成長について
教えてあげる人は必要だと思うのです。
虐待も事故も防ぐためには。

今回の大阪の事件も、両親は虐待を否認しているとの事。
真偽は分かりませんが、少なくとも、全治1年、という怪我はかなり重いですね。
後遺症が残らない事を祈ります。

今日発売の週刊朝日にコメントが載りました。「隠れ貧困」です。

2016年06月28日

囲み記事週刊朝日記事週刊朝日 表紙

貧困女子 買い物依存症とSNS依存

2016年05月20日

インターネットのニュースで見たのですが、
「貧困女子のリアル」という本が小学館から出されたそうです。
この本に出てくるのは、低収入の女性ではなく、
年収700万稼いでいても、借金返済に追われるなど、
お金に困っている女性たち。

お金に困っている理由の一つは、ブランドものの
バッグや服を買ってしまうこと。
この本の筆者の方は「見栄」が問題と指摘しています。
それもあると思いますが、
買い物依存症って立派な病気なんですよね。
しかも、本人は気づいていない場合が多いのです。

新しい服やバッグを買うと女性は嬉しくなり、興奮します。
そして買い物って、なんだか店員の優位に立ったように気持ちなります。
「お客様」ですから。
当然、高価なブランド店の店員は丁寧になります。
だから気分もいい。
そして高価なものを買うと、なんとなく自分が
「お金持ち」になったような気分になります。
錯覚ですね。
借金も、クレジットカードでの買い物と同じで、
だんだん感覚が麻痺して来て、借金の総額が分からなくなってしまうのです。
怖いですね。
ギャンブルだと、当たるか当たらないかは自分ではどうしようもないですが、
買い物だったら、お金さえ払えば必ず快感が得られるわけです。

もう一つの理由は、これは私も驚きましたが、
SNS用に高価な犬を買い、でも面倒を見るのに飽きてしまい、
犬を瀕死の状態にさせてしまった女性もいるという事です。

なるほど、と思いました。
SNSのネタがなくなってしまい、無理してお金を払ってネタを作る。

ネットいじめも同じなのですが、ネットでの自己表現って
エンターテイメント化しやすいのです。
見てくれる人が増えると、嬉しくなって、もっともっと、と思い、
盛り上がるだろう内容を書かなきゃ、という気持ちになります。
そして、リア充である自分をアピールし続けなきゃ、
という気持ちになります。
見てくれている人たちは、まさに「観客」です。

ネットの中の自己表現がエンターテイメント化すると
嘘や作り話はOKになります。
本当かどうかなんて、誰も確かめないし。
だから、ネット世界の自分が現実の自分と違う自分になってゆきます。
そうなると、エスカレートさせ続けるしかありません。

SNSを1日1度はチェックしないと気になってしまう。
そういう人はたくさんいます。
けれど、SNSのネタ作りの為にお金を使うようになる、
というのは、もうSNS依存だと思うのです。

いじめの講演をする時は、子ども社会にインターネットが与えた悪い影響を
必ず話しています。
非現実世界であるインターネット世界では、いじめの手段として、
嘘や作り話は歓迎される。だからいじめがエスカレートする。

結局、大人社会でも同じことが起こっている気がします。
SNS依存も増えてゆくのだろうと思うのです。

インターネットとの付き合い方。これはこれからの大きな課題ですね。

辛い子育てをしないために~子どもの障害を受け入れる~

2016年04月05日

いつも思うのですが、お父さん、お母さんにとって、子どもの障害を受け入れる、
というのは大変辛いことです。

私が働いていた児童相談所では、子どもの知的障害についての
判断をするのも重要な仕事でした。

その日、中学生の娘さんを連れてやって来たお母さんの悩みは
知的障害ではなく、娘さんの非行についてでした。
「学校にも行かないし、夜中は遊び歩いて朝帰ってくるんです。
 注意すると、逆切れして、また出て行ってしまうし」
あまりに言うことをきかないので、お母さんが手をあげてしまうこともあるとか。
でも、娘も反撃するので、取っ組み合いのけんかになることもあるそうです。

私は娘さんと2人で話をしました。
娘さんは、ふくれっつらで、私の方を見ようとせず、横を向いて座っていました。
それでも、お母さんと一緒に、ここ、児童相談所に来てくれている。
だから期待は持てる。そう、思いました。
言葉数は少なかったけれど、娘さんは私の質問に答えてくれました。
どうやら、自分のやっていることが「よくないこと」だということは分かっているようでした。
初回としては十分です。

私は、お母さんと娘さんにいつも通り一通りの知能検査を含めた心理検査を勧めました。
そして、一通りの検査が終わった段階で、私は思わず肩を落としました。
分かってしまった。やっぱり、そうだったのか。

検査の結果をお伝えするために、お母さんだけに来て頂きました。そしてお伝えしました。
「娘さんには、知的障害があると思われます」
辛い宣告だけれど。これは、私の義務だから。

お母さんは、動揺することもなく、表情も変えず、
でも、こぼれ続ける涙を手で拭っていました。
「おそらく、学校の授業は聞いていてもほとんど分からなかったんだと思います。
 だから、行かれなくなってしまったんだと」
そして娘さんは居場所を得たような気がした。一緒に過ごせる、夜遊び出来る仲間を見つけて。
親しい訳ではないけれど、ただ、一緒にいればいいから。

「やっぱり、そうだったんですね」
お母さんはあふれる涙を手で拭い続けながら言いました。
「分かって、良かったです。だって、塾に行って、どんなに勉強しても、ちっとも出来ないんです。
 何時間も勉強しているのに、やっぱり『分からない』って。」
お母さんには、ちゃんと分かっていた。娘さんが努力していることも。
そしてその涙ぐましい努力をお母さんも悲しんでいた。

「学校のお友達とも、うまく付き合えなくなっていたんだと思います」
私がそう言うと、お母さんはうなずいた。
「小学校の頃から、すぐにお友達とトラブルを起こして・・・
 言葉より先に手が出てしまって・・・」
「自分の気持ちがうまく伝えられなかったんだと思いますよ」
私がそう言うと、お母さんはちょっとだけ、笑顔を浮かべた。
「私と、似てるんですね」
そう。だから喧嘩になってしまう。お母さんは分かってくれました。

娘さんの知的障害の判定は一通り終わりましたが、その後もお母さんと娘さんは
自発的に2人で通って来て下さいました。
娘さんの夜遊びはそう簡単にはなくならず、お母さんがカッとなってしまうことも続いたからです。

2人で来ているのに、待合室では一番離れた席に座り、2人でふてくされた表情を浮かべていました。
一度は、お母さんが
「夜遊びをやめないなら、もうこの子は面倒見れません。連れて帰れません」
と言い、娘さんは
「夜遊びも止めないし、絶対家に帰る」
と言い、お互いが、
「そう、言っといて」
と私に言うのです。
仲良くしたい、仲良くしたい。
2人ともそう言っている気がしました。だから、ここ、児童相談所に通って来ているのだと。

その後、お母さんの気持ちも伝わったのでしょう。
そして娘さんも楽になりたかったのでしょう。
娘さんは特別支援学校高等部に進学しました。

入学直後は、娘さんが自分の障害を受け入れられず、
「私はここにいる子達とは違う!」
と言って学校に行かなくなったり。
これも当然です。彼女の障害は軽く、重い障害を抱えている子とは違うと思って当然です。
お母さん、お父さんが子どもの障害を受け入れるのがとても大変なのと同じくらい、
子ども自身だって、自分が「障害者である」という現実を受け入れるのは大変なことです。

私は何度も学校に呼ばれ、先生達と話し合い、お母さん、娘さんとも話し合いました。
でも、次第にお母さんは児童相談所には来なくなりました。
悪い意味ではなく。
電車を乗り継いで来なくてはならない児童相談所よりも、
家に近い、通いやすい場所にある、特別支援学校の先生達、という相談相手を見つけたからです。

児童相談所は、お子さんの知的障害の判断をし、お父さん、お母さんに伝えなくてはなりません。
でも、お父さん、お母さん、そしてご本人が障害を受け入れるお手伝いもする場所であるべきだと
私は思うのです。

そして、困っている、家族、お子さんにとって
「ここに来れば、きっと助けてもらえる」
そう思える場所であるべきだと。

辛い子育てをしないために ~子育ての仕方が分からない~

2016年03月04日

広島県の呉で、また児童虐待による死亡事件がありました。
虐待はそう簡単にはなくならない。
現場で感じ続けたことです。
でも、育てられないなら、育てたくないなら、
預けて欲しい。ずっと、思い続けています。

さて、今日書くお母さんのことで、
最初に児童相談所に電話があったのは保育園の園長先生からでした。
「とにかく、子育てが出来ていないんです。
 朝ごはんも食べさせていないことが多いし。
 洋服もタオルもいつも汚れていて。
 プールの日に身体がすごく汚れたまま来ることもあって・・・」
保育園からは、何度もお母さんに注意をしているそうです。
でも、一向に変わらないので、プールのある日は、保育園でシャワーを
浴びさせてあげたり、タオルも保育園のタオルを使わせてあげたりしているそうです。
お子さんはまだ1歳半。心配です。

お母さんには、園長先生から児童相談所に連絡を入れることは
伝えて下さっているということだったので、私はお迎えの時間に
保育園に出向いて、お母さんにお会いしました。
保育園では話しにくいこともあるだろうと思い、
改めて児童相談所に来て頂くことをお約束しました。

児童相談所に来て下さったお母さんに、私は伝えました。
「保育園の先生たちは、とても心配されていて・・・
 お母さんも困っているんじゃないかって。
 何か、お力になれることがあれば、と思っているんです」
お母さんは黙ったままでした。
拒絶されてる?そう思った時でした。
お母さんが口を開きました。
「分からないんです」
お母さんは続けました。
「分からないんです。子どもの育て方も。
 私自身、親から何も教わって来なかったので、掃除の仕方や
 洗濯の仕方も分からなくて。洗濯したのに、タオルが汚いって言われてしまったり。
 ご飯も、食材は買ってあるんですけど、何を食べさせればいいのかも、
 作り方も分からなくて」
聞けば、ご主人もお母さんと同じような境遇で育って来たとか。
そしてお母さんは、19歳でお子さんを出産。
まだ、お母さん自身が、大人になり切れていないんです。

お母さんには、また児童相談所に来て頂き、お話を聞くことにしました。
でも、もう一つ。やらなくてはならないことがあります。
今、一番お母さんに必要なのは、お母さんへのサポートです。

私は、このご家族に関わる人達に集まって頂き、みなさんと話し合いました。
保育園の先生、保険相談所の保健師さん、福祉事務所の方。
みなさん、お母さんが子どもを可愛く思えないとか、
子育てをしたくないわけではない、ということにほっとして下さりました。
そして、喜んでお母さんのお手伝いをしたい、と。

保育園の先生は、引き続き、気になることをお母さんに伝えながら、
どうしたら良いかを具体的にお母さんに教えて下さることに。
保健師さんは、定期的にお家を訪問し、お母さんの困っていることを聞いて下さることに。
福祉事務所はお家にヘルパーを派遣。
ヘルパーさんは、掃除や料理を、お母さんと一緒にして下さることに。
お母さんサポートチームが出来ました。

お母さんは、家に人が出入りすることも嫌がらずに受け入れてくれ、
関わってくれる人たちの話を、素直に、静かに聞いてくれているとのことでした。

3か月経ったころ、児童相談所に来てくれたお母さんは言いました。
「少しだけ、掃除の仕方とか、分かって来ました。
 洗濯ものの片付けかたとかも。
 主人も、掃除を一緒にしてくれるようになって」

保育園からは、心配なことがあると連絡を頂きましたが、
みなさんが根気よく、お母さんを支えてくれ、
そしてお母さんの成長を感じてくれていました。

6か月が経ちました。お子さんは2歳になりました。
私は、お家を訪問させて頂きました。
お父さんとお母さん、そろって迎えて下さいました。

お家は、きれいに片付いていました。
古いアパートでしたが、清潔さも感じました。
「お母さん、よく頑張りましたね」
私がそう言うと、
「みなさんのおかげです」
お母さんはそう言った後、
「やっぱり、家がきれいだと気持ちがいいんですね。
 最近、料理も楽しくなってきて・・・」
素晴らしい。
お母さん、本当によく頑張りました。お父さんも。

子育ての仕方が分からない。自分の子育てに自信がない。
そんな悩みを抱えたお母さんはたくさんいます。
どうか一人で抱え込まないで、誰かに相談して下さいね。
力になってくれる人は必ずいるはずです。

辛い子育てをしないために ~子どもが学校に行きたがらない~

2016年03月01日

子どもが小学校に入学したけれど、学校に行きたがらない。
小学校生活をスムーズにスタート出来ないと、お母さんたちは不安になります。
最近あまり聞きませんが、「小1プロブレム」という言葉も話題になりました。

その日、児童相談所にやって来たお母さんも悩んでいました。
「娘が学校に行きたがらないんです。入学式の後、数日は行けたんですけど・・・」
娘さんが小学校に入学して、まもなく3週間。ゴールデンウィーク直前の事でした。
「幼稚園の時は嫌がることなんてなかったんです。毎日楽しく通っていて。
 小学校も、行けた日は『楽しかった』って言っていたんですけど・・・」
お母さんの心配は当然です。子どもが学校に行きたがらなくなると、
多くのお母さんは、「このままずっと不登校になってしまうのでは」という不安を抱きます。

「私が校門まで一緒に行ったことも何度もあるんです。
 家を出る時はご機嫌だったのに、学校に着いて、私が帰ろうとすると
 私にしがみついて大泣きするんです。
 そういう娘の姿を周りの子がどう思うかも心配で、
 もうやめたんですけど・・・」

娘さんにもお会いして、お話ししました。
最初はちょっと照れていましたが、元気で明るいお嬢さんでした。
娘さんの心理テストも一通りしましたが、特に心配な所はありませんでした。

「少し、時間をかけて待ってあげて良いと思いますよ」
私がそう言うと、お母さんはため息をつきながら言いました。
「主人も『しばらく様子を見ろ』って言うんです。
 私が心配し過ぎなんだって。
 でも、このままずっと学校に行かれなかったらどうしようって
 思ってしまうんです。
 周りの子たちは元気に学校に通っているのに・・・
 娘の方は、家の中では元気に遊んでいて・・・
 それを見ているとイライラしてしまう時もあって・・・」
私は言いました。
「そうですよね。学校休んで、なに遊んでるのって
 思っちゃいますよね」
お母さんは何度もうなずいた。
「でもね、お母さん」
私はお母さんに伝えました。
「幼稚園と学校って、子どもにとってものすごく大きな差があるんです。
 時間の長さも違うし、幼稚園の頃は常に大人が周りにいたのに、
 学校では大人がいない時間もあります。
 遊べる時間も短いし。
 自分のことは自分でやらなきゃいけないし。」

「心理テストの結果で特に心配な所はありませんでしたけど、
 娘さんは、お母さんと離れると不安になってしまうんだと思います。
 周りは知らない子もたくさんいるし」
「そうなんでしょうか・・・」
お母さんはまだ不安そうです。
「新しい場所で、知らない子に囲まれて過ごすんです。
 不安もいっぱいあって当然です。
 今はまだ娘さんにとって学校に行くということは
 『お母さんに置いて行かれた』
 と感じてしまうんだと思います。
 小学校の入学の時期は決められているけれど、
 子どものスタート出来るタイミングはそれぞれ違うんです」
「そういうものなんでしょうか・・・」
「はい」
私は続けました。
「娘さんは今、心の中で準備をしています。
 そして、子どもというのは毎日家の中にい続けると
 ちゃんと退屈を持て余すようになります。
 だから学校に行きたくなるはずです」

学校に行かれない間は、児童相談所に通ってもらうことにし、
お母さんはしばらく様子をみることに納得して下さいました。

ですが、私が娘さんと児童相談所でお会いしたのは
3回だけ。
6月に入る頃には、娘さんは自分から
「学校行ってみようかな」と言うようになったのです。

すぐに毎日行けるようになったわけではありませんが、
お母さんの気持ちも落ち着き、時々不安になった時に
電話を頂くだけになりました。

前回のブログの「言葉の出始め」と同じで、
お母さんが子どもの発達を「待つ」のは意外に大変なことです。
でも、やっぱり子どもによって発達のペースは違うもの。
待ってあげることは大事ですね。

 

子育ての悩み ~「うちの子、まだ言葉が出ないんです」~

2016年02月26日

子どもがいつ話し始めるか。
これって、お母さんにとって、とても重要な問題ですよね。

その日、児童相談所にやって来たお母さんは悩んでいました。
「うちの子、1歳半になるのに、まだ言葉が出ないんです」
お母さんは続けます。
「ネットで調べたり、育児書を読んだりすると、
 なんか、全部書いてあることが少しずつ違ったりして・・・
 どれを信じてよいのか分からなくなっちゃって」
そうなんです。情報があり過ぎるんです。
そしてネットは特に間違っている情報も入っているし。
お母さんたちは混乱してしまいます。
私は尋ねました。
「声は、出ているんですよね?」
「うーとか、あーとかは言います。でも意味ある言葉はまだ・・・」
お母さんは言いました。
「たぶん、ご存じだと思いますけど、子どもの発達って個人差が大きいんです。」
お母さんはすぐに答えました。
「知っています。でも、どこまでが個人差なのか、分からなくて。
 もしかしたら発達障害なんじゃないかって・・・」

うちの子、発達障害かも。
そういう不安を抱えるお母さんもたくさんいます。
ネットで調べてADHD(注意欠陥多動性障害)のチェックリストを
やってみたら、全部当てはまった、って不安になるお母さんも。
発達障害かどうかなんて、チェックリストだけでは絶対に分かりません。
例えば、じっとしていられない。
子どもなら、普通のことです。

「お子さんはまだ1歳半ですから。
 ありきたりだけど、もうしばらく様子をみて頂いて大丈夫だと思いますよ」
「でも・・・」
そうですよね。「様子をみましょう」なんて言われても安心出来ないですよね。
分かります。

「お子さんに、話しかけてはいますよね?」
お母さんは答えます。
「話しかけた方がいいって色んな所に書いてあるので、
 話しかけるようにはしてますけど・・・。
 そんなに、話すこともないので・・・」
私は言いました。
「お子さんが遊んでいたら『楽しいねー』って言ってあげるとか。
 笑っていたら『楽しいねー』って言ってあげるとか。
 後は、お母さんが思ったこと、全部言葉にしていいんですよ。
 『いい天気だね』とか。『今日は寒いね』とか。」
「それもやろうとはしてるんですけど、『どうせ意味分からないしな』って
 思っちゃうこともあって・・・」
そう思ってしまうお母さんも少なくありません。
「あとは、大人同士が楽しそうに話していることも大事なんです。
 子どもって、大人の真似がしたいから。
 おもちゃよりも新聞とか、料理道具とかに興味を持つのも、
 大人の真似をしたいからですから。」
お母さんはちょっと困った表情を浮かべました。
「でも、主人は毎日遅いですし、休みの日は疲れてずっと寝ていて・・・
 近くに親戚もいませんし。
 保育園も行ってないので、ママ友もいないし・・・」

お母さんの孤独。それがここまでお母さんを思い悩ませている原因。
そうなんです。
児童相談所に相談に来るお母さんは、深刻な悩みを抱えているお母さんもいますが、
「相談出来る人が身近にいない」からやって来るお母さんも少なくありません。

「地域に、『子育て広場』のようなものもありますから、
 そういう所に行ってみても良いと思いますよ。
 児童館でも赤ちゃんのグループをやっている所もありますし。
 あとは、1歳半検診で保健相談所に行った時に、
 月に1回とかで、発達を見てもらうとか。
 もちろん、児童相談所に定期的に来て頂いて発達の経過をみることも出来ますし」

お母さんに話し相手を作る。それが重要です。
お母さんはきっと、お子さんに話し相手にもなって欲しくて、
だから言葉が出るのを待ち望んでもいるのです。

私はちょっと考えてから提案しました。
「あとは・・・よろしければ、私からお父さんにご連絡しましょうか?
 もう少し、家にいる時間を長くしてもらって、お母さんと話す時間を増やしてもらえるように」
お母さんはしばらく考えてから言いました。
「私から、話してみます。疲れているからって、私が遠慮して
 話しかけなかったり、休みの日も起こさなかったりしていたので」
お母さん、偉い!
大切なことはちゃんと夫婦で話し合う。
それが出来なくて、困っているお母さんはとてもたくさんいます。
「あとは、2人でテレビ観て過ごしちゃったりする日もあるので、
 それはやめます」
素晴らしい!
そこに気づけたのは素晴らしいことです。

定期的なカウンセリングではなく、お子さんの発達の経過を見ながら
お母さんとお話する時間を作ることとして、
翌月に予約を入れて頂きました。

3回目にお母さんがいらした時のことです。
お母さんは言いました。
「しゃべりました!しゃべったんです!」
初回にいらした直後、お母さんはちゃんとお父さんと話し合い、
お父さんも出来るだけ早く帰ってくるようにしてくれていました。
夫婦の会話も意図的に増やすようにして下さっていました。
「すぐにお電話しようかな、と思ったんですけど、
 直接伝えたくて!」
お母さんはとても嬉しそうでした。
「それに、この子が話すようになったら、主人も嬉しくって、
 前より早く帰ってくるようになって・・・」
笑いながらお母さんは言いました。

やっぱり、子どもの成長って、親御さんにこれ以上の宝物はないですよね。

家庭内暴力 ~実は大切なのは対応の仕方を知ること~

2016年02月23日

少し前になりますが、掲示板に家庭内暴力についてのご相談がありました。
ブログの方で丁寧に書こうと思っていて、少し遅くなってしまいました。すみません。

お子さんの家庭内暴力で悩んでいる親御さんはたくさんいます。
暴力が日々エスカレートする。
けれど、どこに相談に行っても、「ご本人を連れて来て下さい」と言われてしまい、
「相談に行こう」などお子さんに言えば、暴れるのは間違いないので、
結局相談場所がない、と諦めるしかない。
家庭内暴力に悩む親御さんに共通する悩みです。

実はあらゆる相談機関、そして精神科もそうですが、
問題を起こしている、あるいは何らかの病気を抱えているかもしれない
本人が行かなくても、一番困っている人が相談に行く場所であるべきなのです。
だから家庭内暴力も、困っている家族が相談に行くことが大切なのです。
一番重要なのは、ご家族が家庭内暴力にどのように対応するかを知ることなのです。

以前働いていた児童相談所に、中学生の息子さんの家庭内暴力に悩んでいるお母さんが相談にいらっしゃいました。
「とにかく、毎日のように暴れるんです。
 物は壊すし、壁に穴を開けるし、今はドアも壊れていて・・・」
お母さんは、児童相談所に来る前に、いくつかの相談機関に相談し、
加えて病院の精神科にも相談に行っていました。
「どこに行っても、『本人を連れて来ない・・・』と言われてしまって」
家で暴れている子を相談に連れて来れるわけがありません。
「学校の先生に相談しようかとも思ったんですけど、
 学校では全く問題を起こしていなくて、むしろおとなしい子なので・・・」
実は、家庭内暴力のお子さんの大半が学校では良い子なのです。
これはDV(夫婦間暴力)、つまり奥さんを殴る男性にも共通しています。

私は、お母さんに提案しました。
「しばらく、お母さんだけでも通ってみてはどうでしょうか。
 そしてもし可能なら、お父さんも」
幸いなことに、お父さんは自営業で、時間は比較的自由になる方だったので、
次にはお父さんも一緒に来て下さいました。

お子さんの暴力に、どのように対応するか。
私は1つ1つご両親と話し合いました。
「お子さんがお母さんに暴力を振るったら、お母さんは家の外に逃げて下さい。
 お父さんがいらっしゃる時は、お父さんが盾になってあげて下さい」
お父さんに暴力を振るわないわけではないけれど、それでも女性より男性の方が力はあります。

「私の作った料理を食べないんです。『こんな飯食えるか!』って言って
 食卓をひっくり返し、コンビニで買い物して来いって、行かされるんです」
「食卓をひっくり返すのは止めらないと思いますが、
 コンビニに買い物に行くのは頑張ってやめましょう」
私が言うと、
「行かないと暴れるんです。あとは、『金よこせ』って」
お母さんは言いました。
「お金は絶対に渡さないでください。それから、外には出て下さい。お父さんが帰ってくるまで、どこかで待っているようにしましょう」
「出来るかしら・・・」
お母さんは不安そうでした。当然です。言うことを聞けば暴れないでいてくれるなら、
言うことを聞いてしまった方が楽。そう考えてしまいます。
「頑張って下さい。お母さんが言いなりにならなくなると、
 一時的に暴力はエスカレートすると思います。
 でも、その時こそ、ご夫婦で頑張って下さい」
私がそう言うと、お父さんが言いました。
「本当におさまるんでしょうか。息子の暴力は・・・」
私は言いました。
「必ずおさまります。息子さんの暴力を長引かせないためにも、今、頑張って下さい」
暴れるのが怖くて、子どもの言いなりになり続けて、
結果、20歳を過ぎても暴力がおさまらない。
そんな家族もたくさん見て来ました。
でも、児童相談所も18歳までのお子さんの相談しか受けられません。
まして20歳を超えたお子さんの相談を受けてくれる所は公的機関ではほぼありません。
いくつになっても、親からすれば子どもは子どもなのに・・・

お母さんを励まし続けるためにも、お母さんには週1回通って頂くことにしました。
お父さんは来れる時だけ来て頂いて。

もうずいぶん前のことなのですが、このご両親は本当に頑張りました。
お父さんも2週に1回のペースで来て下さり。
予想通り、一時お子さんの暴力はエスカレートし、
お父さんが盾になるのが間に合わず、お母さんが殴られたり。
ご両親が寝ている時にの寝室に洗剤やらシャンプーやらまき散らしたり。

お父さんの協力があって本当に助かりました。
くじけそうになるお母さんを私とお父さんで励まし続け。

暴力を振るっても、言うことを聞いてくれない。
子どもというのは、ちゃんと学習します。
半年ほど経ったころ、お子さんの暴力は確実に減って来ました。
お母さんにも迷いが無くなりました。

結果、1年ほど通って頂きましたが、後半1年はほぼ月1回のカウンセリングとなっていました。
前にも書きましたが、お別れは寂しいですが、
私のことが必要ではなくなるのは家族にとって良いことです。

お子さんがどんな問題を起こしていても、ご両親が頑張れば、
必ず解決出来る。
お父さんお母さんが信じることが大切なんですね。