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山脇由貴子心理オフィス

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「子どもを叩いてしまう」お母さん ~虐待について~

2016年01月11日

板橋で、子どもを天井に叩きつけたという
悲惨な虐待事件がありました。
ひどい事件ですね。

私は、「かっとなると子どもを叩いてしまう」
というお母さんにはたくさん出会って来ました。

いけない事だとは分かっている。
子どもが憎いわけではないし、
可愛いと思っている。
でも、かっとなるとつい、叩いてしまう。

そんなお母さん、とても多いですよね。

一人のお母さんは、10代で出産し、
3歳の男の子のお母さんでした。
お母さん自身、まだ幼いこともあって、
子どもがいう事をきかないと、つい叩いてしまう、
と悩んでいました。

怒りのコントロールって難しいものです。
アンガーマネジメントの講座は最近増えていますが・・・

私はお母さんに
「かっとなった時にどうするか、決めておきましょう」
と提案しました。

かっとなったらシャワーを浴びる。とか。
お子さんの年齢が高ければ、
お母さんがしばらく外を散歩する、
なども提案しますが、彼女のお子さんはまだ3歳。
お母さんが外に出る訳にはいきません。

少し距離を置く方法として、
別の部屋に行く、とか。
天気が良ければベランダに行く、とか。
好きな音楽を聴く。
これもいいですね。

その時々で、出来ることをやってみましょう、
という事にして、お母さんには週1回通ってもらうことにしました。

「どれも出来ないんです」
お母さんの悩みは続きました。
一度、別の部屋に行ったら息子さんが火のついたように泣き、
よけいにイライラしてしまったそうです。
シャワーを浴びようとしたら、
子どもが服のままお風呂場に入って来てしまった。

そう。距離を置くって難しいのです。
子どもは小さければお母さんの姿が見えなくなるだけで不安になります。
だから泣いてしまうし、後追いもするのです。

シャワーは難しそうなので、
別の部屋に行って、声だけかけてあげましょう。

これも提案しましたが、
子どもの泣き声でお母さんの声はなかなか届かない。
そして余計にイライラする。

お母さんは悩んでいました。
叩いてしまうと後悔し、反省し、
そして叩いてしまう自分を責めてしまう。

ご主人はいらっしゃいましたが
とにかく仕事が忙しく、帰るのは夜中。
土日も仕事。
子育てを手伝ってくれる時間はないのです。

今は幼稚園に通っているので、
保育園は一番最初に提案しましたが、空きがなく・・・

誰かに電話をする。
これも提案しましたが、
お母さんには心を許せる友だちは思い当たらず・・・
このままでは、お母さんはますます落ち込んでしまいます。

やっぱり、一番実行出来そうなのは、別の部屋に行くこと。
寝室に行って着替えてみる、とか。
音楽をかけてみる、とか。
何か一つ別のことをしてみましょう。

その間、おそらく子どもは泣くけれど。
子どもにとって、一番怖いのは放っておかれること。
放っておかれるくらいなら、怒られる方がいい。
子どもはそう考えます。
だから、ドア越しに、声だけはかけてあげましょう。
それだけはお母さんにお願いしました。

4か月が経とうとしていました。
お母さんはこのまま自分はずっと
良くならないのではないか。
そんな不安を抱いていました。

そんな事は絶対ありません。
こうして、子どものために相談に通い続けている。
そんな努力が出来るのだから。
私はお母さんを励まし続けました。

そんなある日。
お母さんから電話がかかって来て、
今日約束していないけれど、
どうしても行きたい、と言うのです。

急いでやって来た様子のお母さんは
いつもより興奮しているようでした。

「初めて、出来たんです」
お母さんは言いました。
「かっとなって、叩きそうになったから、
 寝室に入って、音楽をかけて、着替えて。
 ずっと泣いてたけど、
 『待ってね』
 って言い続けて・・・。
 私もずっと泣いてましたけど・・・。
 しばらくしたら、子どもが少し静かになったので、
 部屋から出たら・・・しくしく泣いていて。
 私、急にかわいそうな事したって気持ちになって」
その後、お母さんは自然に子どもを抱きしめて
「ごめんね」
と言えたんだそうです。

素晴らしい!私は絶賛しました。

でも、次に来た時、お母さんは
「また出来なくて・・・」
と落ち込んでいました。

いいんです。最初は10回に1回でも、20回に1回でも。
大事なのは、1回でも出来たこと。
お母さんが変わるのだって時間はかかります。
すぐに変われるわけはありません。
そしてお母さんだって励まして欲しいし、
誉めてももらいたいはず。
1人で頑張り続けることは出来ません。

「1回は出来たんだから、少しずつ増やしてゆけますよ」
大事なのは自分をあきらめないこと。
時間をかけてやってゆきましょう。

悩みのない子育てなんて、あるはずがありません。
だから、お母さん達、子育てを一人で抱え込まないでくださいね。