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山脇由貴子心理オフィス

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クレーム対応 保育園編 そして虐待の判断

2015年12月25日

先日、クレーム対応について書きました。

最近、クレーム対応の講演の依頼や、
講演に来て下さる方に保育園の先生がとても多いのです。

学校の先生へのクレームと保育園の先生へのクレームは
若干質が違っています。

学校へのクレーム増加の原因の一つに、
私は保護者にとって塾と学校の逆転があるように思います。
保護者にとって、勉強を教えてくれる中心は
塾となりつつあります。
だから、塾の先生には、自分の子を大事にして欲しい。
一方、学校は保護者にとって「大したことをしてくれない」
と感じられつつあります。

そして保護者が学校の先生にクレームを言うのは
コミュニケーションが少ないこともとても大きな要因です。
東京では家庭訪問もしなくなっており、
三者面談や個人面談などで先生と話をするのは
年に数回だったりします。
年に数回しか会わない相手は他人も同然。
近くのスーパーの店員さんの方が
よっぽど良く会う人です。
他人なんだから、どう思われたって構わない。
そういう気持ちを抱かせてしまうのです。

そして、学校の先生が保護者に連絡するのは
たいてい
子どもが問題を起こしたか、
病気かケガをした時です。

つまり、悪い事が起こった時しか
コミュニケーションを取らない訳で、
そうなると、コミュニケーションをとること自体が
緊張関係を生んでしまいがちなのです。

そして人間のコミュニケーションというのは、
どんな関係性であっても、減っていけば減っていくほど、
最後に残るのは「要求」と「文句」です。

夫婦関係に例えてみると分かりやすいのですが、
関係が悪くなってゆくと
「やってくれ」
「どうしてやってくれないんだ」
これだけが残る訳です。
お互いに、文句を言ってばかりに感じられるので、
次第にメモを置くだけとか
メールで伝えるとかになってゆき
今度は「こんな大事な要件がメモか!」
とさらに関係が悪くなってしまいます。
学校の先生と保護者の関係もこの関係になってしまうことがあるのです。

一方、保育園の先生は毎日お母さん達と顔を合わせます。
保育園の先生というのは、お母さんにとっては、
・自分と一緒hに子育てをしてくれる人
・園長先生など、年上の先生はお母さんにとっての「お母さん的な存在
・寂しいお母さん達にとっては、愚痴を聞いてくれる人であり、
 そして相談相手
という存在になりがちなのです。
とても身近な存在なので、だからこそ自分の思い通りになってくれないと
文句を言いたくなる。
家族に対する不満に近いのです。

学校にしても保育園にしても、
クレーム対応で大事なのは、前にも書いた通り
「毅然とした態度」
なのですが、これは関係を切る為なのではなく、
あくまで、クレームを言わなくなってくれれば
いくらでもお話しします、という事を理解してもらうこと。
関係を作り直す、ということなのです。
思い通りにしてあげられないこともあるけれど、
そのことも受け入れてもらえる関係を作る、ということなのです。

あと、保育園でのお母さん対応で重要なのは
「このことは誰にも言わないでください」
という内緒話は基本的には受け入れないことです。
私は子どもに対してこの事は徹底して守ってきました。
「誰にも言わないで」
と言われると、秘密にしてあげなくてはと思ってしまいがちですが、
大事なことだからこそ、保育園の先生たちの中で共有する。
それは、結果として、お母さんを守る為、
子どもを守るためだから、と説明してあげて。

「じゃあもう話さない」
「信頼できない」
と言われるかもしれませんが、
お母さん自身の秘密を1人の先生が抱えるのは
大変なことで負担にもなります。
それがのちのち、トラブルの原因にもなりかねません。
若い先生方は特に気を付けて、
少なくとも園長先生にだけは
伝えるようにして下さい。

そして最後に大切な、虐待についてです。
お母さんやお父さんから先生方が激しい攻撃を受けた時。
それが子どもに向けられた時のことを想像してみて下さい。
前にも書きましたが、子どもは閉鎖された家の中で
もっとひどいことをされているかもしれません。
それは「親の怒り」として理解出来る範囲かどうか。
大人が耐えられないレベルであったら
間違いなく、子どもに耐えられるはずはありません。
「虐待」と言えるレベルかもしれません。
その時は、地域の子どもに関する専門機関に
ぜひ相談して下さい。

講演会でも必ずお話していますが、
「虐待かどうか」
「深刻な虐待に当たるか」
という判断は、日常的に子どもに接する現場の
先生たちは判断しなくて良いのです。
それは専門機関の仕事です。
だから、「この子、大丈夫?」と
心配を抱いたら、専門機関に相談して下さい。
「専門機関の人は忙しいから・・・」
とためらう方も多いですが、
私は、現場にいた人間として、
子どもを守るための機関は
「忙しさ」を「出来ない」理由にしてはならないと思うのです。