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山脇由貴子心理オフィス

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児童相談所で出逢った女性たちのお悩み解決~子どものお金の持ち出し~

2016年02月02日

先日のブログで、万引きを繰り返してしまう子どものお話を書きました。

今回も、お子さんの盗みで悩み、とても長い時間をかけて解決されたお母さんのお話です。

お子さんは中学1年生の男の子。
お子さんは万引きではなく、家から家族のお金を持ち出すことを繰り返し、
お母さんは悩んでいました。
「私の財布や夫の財布だけじゃなくて、お兄ちゃんやお姉ちゃんの財布からもお金を盗るんです。
 仕方なく、全部の部屋に鍵をつけましたけど、ちょっとトイレに行くとか
 お風呂に入る時まで鍵をかける訳じゃないので・・・
 ちょっとした隙に盗ってしまうんです」
私がお母さんの話を聞いて、一番気になったのは、
息子さんがお兄さんの眼鏡を盗って自分の引き出しの奥に隠していた、ということでした。

自分に必要のないものを盗る。
これは盗みの中でも、重たい部類に入ります。

2回目は、息子さんがどんな育ち方をしてきたか、
そしてお兄さんとお姉さんの育ちについて詳しくお聞きしました。
「お兄ちゃんとお姉ちゃんは全然手がかからなくて。
 悪い事はしたことがないんです」
お母さんは言いました。私は尋ねました。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんの成績はどうですか?」
「2人とも、とても優秀です。何も言わなくても勉強する子たちで。
 こう言ってはいけないんですけれど、
 あの子がだけが問題児、というか・・・」

息子さんの心理テストを一通り終えた所で、
私はお母さんに
「申し訳ないけれど、出来れば、お父さん、お兄さん、お姉さんにも
 来てもらえないでしょうか?」
とお願いしました。
ご家族は私のお願いを受け入れて下さり、みなさん来て下さいました。
お父さんもお兄さんもお姉さんも、びっくりするくらい穏やかで、
お金を盗られたり、物を盗られたりで困っているはずなのに、
怒っている様子は全く見られませんでした。
そしてお母さんが、お兄さんとお姉さんをとても頼りに
していることが分かりました。

ご家族全員のお話を聞き、見えてきました。
私はお母さんにお伝えしました。
「おそらく、原因はお兄さん、お姉さんへの嫉妬だと思います。」
お母さんは言います。
「でも、みんなあの子には優しくしてるんです」
「それはとてもよく分かりました。でも、その優しさが、
 『自分だけが問題児』というコンプレックスを強めているのだと思います」
私はお母さんに提案しました。
「あまり、お兄さんお姉さんには負担をかけないようにしましょう。
 出来る限り、お金を盗れない環境を家の中に作るようにして下さい。
 そして、お父さんお母さんが出来るだけ彼と一緒にいる時間を増やして下さい。
 お兄さん、お姉さんとは違う、彼の良い所を見つけて、誉めてあげて下さい」
「分かりました」
お母さんはそう言って帰られました。

けれど、なかなか実行は出来ませんでした。
私の言っていることは、もちろん理解してはいるのだけれど、
気持ちが追い付かない。
子どもが問題を起こしていると、なかなか誉めることが出来ない。
これはあらゆるお母さんに共通します。
この「誉めると叱る」は重要なテーマなので後日詳しくブログで紹介したいと思います。

「とにかく、家族の誰かが、あの子と一緒にいるようにしてます」
そういう意味ではないのだけれど・・・
「それではお子さんは見張られているように感じてしまうかも・・・」

話は毎回、堂々めぐりになっていました。
おそらく、私の言っていることが、お母さんの中でしっくり来ていないのだろう。
私は私で反省しつつ・・・
でもお母さんは通い続けてくれました。すごいことです。
そしてお子さんも通い続けてくれました。これもすごいことです。

通い続けてくれる限り、絶対に解決できる。
私は信じていました。
そしてお母さんを励まし続けました。

気づけば、3年が経とうとしていました。
やって来たお母さんが言ってくれたのです。
「山脇さんの言っていた意味がようやく分かりました!」
家の中に金庫を置き、家族の財布を入れるようにした。
でも、それは「あなたの為だから」と息子さんにちゃんと説明した。
週末、お母さんかお父さんのどちらかが、息子さんと出かける。
家族が常に誰か一緒にいることはやめた。
「あの子にもいい所、いっぱいあることにも気づきました。
 優しい子なんです。
 私の具合が悪いと必ずお手伝いしてくれるし。
 お兄ちゃんとお姉ちゃんは塾やバイトで忙しいから、って」

素晴らしい。
何より、お母さんの根気が素晴らしい。

そうなんです。子どもの問題を解決するのには時間がかかるものです。
大事なのはあきらめないこと。
そして、私のアドバイスを理解し、受け入れてもらうのにも時間が必要だと
私自身がとても勉強になりました。

近日、「誉めると叱る」について、詳しくご紹介します!