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山脇由貴子心理オフィス

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児童虐待最悪12万件、「心理的虐待」が半数~その理由~

2017年08月17日

2016年度の全国の児童虐待が過去最悪の12万件、
その半数が「心理的虐待」と報じられました。

http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e5%85%90%e7%ab%a5%e8%99%90%e5%be%85%e3%80%81%e6%9c%80%e6%82%aa%ef%bc%91%ef%bc%92%e4%b8%87%e4%bb%b6%e2%80%a6%e3%80%8c%e5%bf%83%e7%90%86%e7%9a%84%e8%99%90%e5%be%85%e3%80%8d%e3%81%8c%e5%8d%8a%e6%95%b0/ar-AAqeacG?ocid=spartandhp

「児童虐待って実際に増えているんですか?」
と、取材でもよく聞かれます。
数字だけ見れば、激増し続けているように見えます。
でも、私は19年間、児童相談所で働き、
単純に激増し続けている、とは言えないと思っています。

児童相談所への虐待の相談・通報が増え続けているのは確かです。
でも、それは世間の皆さんの認識の高まりが一つ大きな要因です。
虐待が疑われたら、児童相談所に通報しなくてはならない。
子どもに関わる職業の人間は、当然知っています。
そして、東京は、住宅が密集している事も関係していると思いますが、
近隣の方達からの通報がとても多いのです。
私も、児童相談所で働いている時は、
毎日のように、ご近所の方からの通報が入っていました。

子どもの尋常ではない泣き声がする。
大人の怒鳴り声が続いている。
などです。

こうした、世間の意識の高まりによって、
実際、児童虐待を早期に発見出来るようになったのはとても良いことです。
そして、これが児童虐待の通報件数を増やしているとも言え、
つまり、今まで放置されていた、あるいは
発見されなかった虐待も発見されるようになった、という事です。

そして心理的虐待の増加。
これは私も現場で実感していました。
これはいじめにも共通しているのですが、
子どもに対する身体的虐待が減ってきているのです。
つまり、虐待者である親も、学んでいるのです。
傷、あざを残せば、児童相談所がやって来て、
子どもを保護されてしまう事。
そして自分は逮捕されるかもしれないこと。
だから傷、あざは残さない。
児童相談所は必要があれば、子どもの身体の洋服で隠れた部分も確認しますから。
悪質な親は、傷、あざが子どもに出来てしまったら、
保育園や学校を休ませたりもしますが、
しばらく子どもの姿を確認出来なければ、
児童相談所は家庭訪問をして、確認しますから。

だから必然的に、言葉での虐待、
つまりは心理的虐待が増える訳です。
そして、きょうだい間で一人だけ差別する、
なども心理的虐待。
ドメスティック・バイオレンス、
夫婦間暴力を目撃するのも心理的虐待です。

「児童虐待」とみなされる親の行動の幅の広がりも
数字を増やしている要因の一つです。

さらには、児童相談所の統計データの取り方にもからくりがあります。
近隣からの怒鳴り声や泣き声の通報も
児童虐待の疑いがある通報は、児童相談所は
全て「虐待」として受けなければならない、というルールがあります。

ですが、実際調査してみると、虐待ではなかった、
というケースも当然ある訳です。
その場合、「虐待ではなかった」として終了するのですが、
通報を受けた、その入り口が「虐待」であった以上、
この、「虐待ではなかった」ケースも、児童虐待の通報として
カウントされる訳です。
そして、同じご家庭が2度、3度、近隣から通報されれば、
2度目、3度目も新たな虐待としてカウントされます。

なので、虐待通報のうちのどれだけが実際の虐待であったか、
という数字が出されないと、児童虐待が現実にどれだけ増えているのか、
分からないのです。

最近は、近隣トラブルで、虐待通報する人もいますから。

今後は現実に児童虐待があり、児童相談所が継続的に
関わった、という数字が出されるといいな、と思います。