千葉県野田市小4女児虐待死事件の問題点2
教育委員会が心愛ちゃんのアンケートを父親に渡してしまったのも大きな問題だ。
条例違反に当たるのだが、それ以前に、アンケートを渡してしまえば、
虐待が再発・エスカレートすることは、当然、予測出来た。
それなのに教育委員会の担当者は、「恐怖心を抱いた」と述べており、
つまりは父親の攻撃に屈した、ということだ。
自分の身を守るために、心愛ちゃんを犠牲にしたということだ。
クレーム対応の知識がなさ過ぎるとしか得言えない。
この事件は、児童相談所も、学校も、教育委員会も、全ての組織が父親の攻撃に屈し、
言いなりになってしまった為に起こった事件と言えるだろう。
教育委員会にも問題はあるが、子どもを虐待から守る権限は児童相談所にしかない。
児童相談所は、心愛ちゃんが自宅に戻った後、3月19日に学校で心愛ちゃんに会い、
手紙は父親に書かされたことを確認している。この時に、本人からの虐待の訴えがなければ、一時保護は難しいだろう。
しかし、定期的に会いに行くべきだったのだ。私たちはあなたの味方だよ、心配しているよ、
もし叩かれているのなら、今度は必ずあなたを守る、
絶対に家に帰さない、と心愛ちゃんに伝え続け、そして機会を待ち、保護すべきだったのだ。
そして学校と児童相談所の連携が不十分だったことも大きな問題だ。
夏休みや冬休み、長期休暇後の欠席は絶対に放置してはいけない。
長期休暇中は虐待がエスカレートするリスクが非常に高いのだ。
欠席は傷、あざを隠す為かもしれないと疑わなくてはならない。
長期休暇明けの欠席は学校はすぐに児童相談所に連絡すべきであり、
児童相談所はすぐに子どもの姿を確認しなければならない。
沖縄の母方親族の所にいる、と言われたら、児童相談所は沖縄の児童相談所に心愛ちゃんの確認をお願いすべきだった。
「親族宅にいる」「親族の具合が悪い」というのは虐待加害者が子どもを姿を見せない為に使う常套句だ。
その言葉を疑い、沖縄での確認、そして家庭訪問を行っていれば、心愛ちゃんの命は助かったのだ。
父親に続き、母親も逮捕されたが、DVから、虐待から母子を救ってあげる為の働きかけを
しなかった行政側の責任も大きい。
糸満市では親族が父から母へのDVと子どもへの恫喝を親族が相談している。
柏児童相談所も母からDVがあることを聞いている。
誰かが、母親に子どもを連れて逃げることが出来るよ、と教えてあげていれば。
その事も残念でならない。
同じような事件を起こさない為に、児童相談所を改革することは必須の課題だ。
そしてこの事件の問題点を丁寧に検証し、同じことをしないよう、全国の児童相談所で共有すべきだ。