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山脇由貴子心理オフィス

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厚労省 虐待児ら施設入所停止 里親委託75%目標

2017年08月03日

厚労省が、虐待を受けた子どもの施設入所を原則停止、
里親委託75%を目標とする方針を出しました。

http://mainichi.jp/articles/20170801/k00/00m/040/119000c

非現実的だな、と思います。

里親委託数が少ないのは、里親が少ないことだけが
理由ではないですから。

赤ちゃんであれば、まず発達が順調かどうかを
確認しなくてはなりません。
発達に遅れがある事が委託後に分かると、
里親さんが
「やはり育てられない」
と子どもを児童相談所に帰す可能性があるからです。

そして、自分の子どもがいない里親さんは
児童相談所としては
「育てられるのか?」
と不安になります。
里親委託後の里親さんへのケアや指導は
昔よりは整って来たとは言え、
それでも毎週家庭訪問するなんてことは出来ません。

そして虐待を受けて来た子どもはとにかく
色々な面で手がかかります。
以前にドラマにもなっていましたが、
様々な問題行動を次々にするのです。
お手上げになってしまう里親さんは
少なくありません。
私も、児童相談所で働いていた時に、
里親さんに
「せめて普通の子だったら・・・」
と子どもを帰されてしまった事がありました。
児童相談所が預からなくてはならない子どもを
育てるのはとっても大変ですよ、
と研修の時から何度もお伝えするのですが。

そして里親さんだって、出来る事なら
長期間育てたいと思います。
里親さんの中には、児童相談所の勝手な都合で
育てていた里子ちゃんを連れて行かれてしまった人や、
突然、実親が「引き取りたい」と言い出したから、
と子どもを連れて行かれてしまった方がたくさんいます。
長い期間、育てられる保証がないなら、
あとで寂しい思いをするのなら、
と委託を受けない方だっているのです。

そして、まだ小さい子どもだと、どうしたって
お母さん、つまり里母さんに出来るだけ
長い時間一緒にいて欲しい、と児童相談所は考えます。
なので、働いている里母さんは出来れば避けたい。
里親さんにすると、仕事は続けたいけれど、
実の子じゃないから、育児休暇が取れない、
なので、委託してもらえない、
という方もいます。

厚労省はDVの目撃など、専門的ケアが必要な子は
施設入所を認める、としていますが、
児童相談所があずかる子どものほぼ全員が専門的ケア
が必要な子です。
だから結局、里親委託ではなく施設入所となる子が
多い状況は変わらないのだろうな、と思います。

そして一番の問題は。
委託後に、うまく行かなかった場合を考えていない事です。
子どもを里親さんに委託し、しばらく育てたけれど、
やっぱり育てられない、となってしまった場合。
子どもは心に傷を負うことになります。
そして里親さんの心の傷にもなります。
だから、原則里親委託、なんて方針は乱暴すぎる、
と私は思うのです。