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山脇由貴子心理オフィス

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奈良 2歳児収納ケース殺害事件を考える~虐待としつけの境界~

2016年04月14日

奈良県で、2歳児が収納ケースに閉じ込められ、亡くなってしまったという事件が起きてしまいました。

父親はは「しつけ」と思っていた、いつもやっていた、と述べている、と報道されています。
真偽は分かりません。お父さんの心情も、知っていたお母さんの心情も分かりません。

でも、「虐待」とされる行為を、本心で「しつけ」だと思っている親御さんがいるのは事実です。
そして、「自分の子なんだから、自分がどうにかしなければ」と本気で思っている親御さんがいるのも事実です。

このご両親は、発達相談の予約を入れていた、ということも報道されています。

前回のブログで書きましたが、子どもの発達の問題に気づかず、
悩み、苦しみ、
「児童相談所に来て、発達障害だと分かって安心した」
「知的障害だと分かって良かった」
と言うお父さん、お母さんにもたくさん出会って来ました。
障害が分かって「良かった」と思うのは、それまで、
「自分のしつけの問題だ」
と思って自分を責めていたからです。

でも、逆もあります。
「しつけ」だと思っている方法が間違っていて、
子どもの問題をエスカレートさせてしまっている場合もあるのです。

「自分のやっていることは、あくまでしつけの一環だった」
そう思っている、お父さん、お母さんの中には、
「自分も同じようにしつけられて来たから」
「別の方法が分からないから」
という方もたくさんいます。

「痛い目にあわないと分からない」
本心でそう思っているお父さん、お母さんはいて、
子どもを叩いたり、押し入れに閉じ込めたり、
お風呂場に閉じ込めたりします。

お父さん、お母さんは「自分がこの子をどうにかしなければ」
と本気で思っているのだけれど、
子どもの心には傷が残ります。

大人になってからも、自分の母親と電話ですら話すのが怖い。
暗闇が怖い。
真っ暗だと眠れない。
そんな悩みを抱え続けている大人もたくさんみています。

どこからが虐待で、どこまでがしつけなのか。
その議論は、
「どこまでがいじめで、どこからが犯罪なのか」
という議論にとても似ています。
その議論を続けていても、こうした子どもの死亡事件はなくならない。
そう、感じ続けています。

少なくとも、子どもの行動の問題の原因は
発達の問題にあるのか、しつけの方法の間違いにあるのか。
その原因の分析は、児童相談所に出来ること。
私はそう信じて、児童相談所の心理の仕事を続けて来ました。

児童相談所が、「行きたくない場所」ではなく、
「行ったら気持ちが軽くなった」と思える場所になるにはどうしたら良いのか。
そして、親御さんにとっても、子どもにとっても
もっと相談に行きやすい場所になる為にはどうしたら良いのか。
それも、考え続けています。