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山脇由貴子心理オフィス

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子どもの貧困と子ども食堂を考える

2016年05月17日

「子どもの貧困」の問題がクローズアップされるようになり、
子ども食堂の存在は、多くの報道で紹介されています。

「子どもを救う」
これは、とても重要なことであり、私自身の生涯のテーマでもあります。
子ども食堂はとても素晴らしいと思います。
学習支援をしている所もあり、子どもにとっての居場所としての役割を果たしていると思います。

けれど、「子どもの貧困」という言葉には、ずっと違和感を抱いてきました。

本当に、「子ども」の貧困なのでしょうか。
その家庭で、子どもだけが貧困に苦しんでいるのであれば、
それは、児童虐待です。

児童相談所で働いている頃は、
空腹に耐えられず、万引きする子に出逢いました。
お父さん、お母さん、きょうだいは美味しいものをたくさん食べているのに、
1人だけ、冷たいご飯だけしか食べられない、という子に出逢いました。
「好きなご飯はなに?」
と尋ねると
「のりたま!」
と嬉しそうに答える子がいました。
ふりかけご飯しか食べていない子でした。
お母さんがずっと帰って来なくて、
家にある唯一の食べ物であるお米を少しずつ炊きながら
飢えをしのいでいた子がいました。

全て、虐待として児童相談所が保護する対象となる子です。

報道を見ていると、子どもだけでなく、お母さんもまともに食べられていない。
生活保護をもらっているのに、毎日の食費に困っている。
水道代すらも払えない。そんな家庭が出て来ます。

ライフラインが止まる。これはやはり、児童相談所が子どもを保護する
決定的要因です。

貧困に苦しんでいるのは、子どもだけではない。
そのことを、見失ってはいけないと思うのです。
「親から子への貧困の連鎖を断ち切る」
とコメントされていた方がいました。
確かに、それは重要だけれど。
親の貧困を救わなければ、子どもの貧困は救えない。
親が、子どもに満足な食事を与えられないほど、貧困に苦しんでいるのであれば、
今、お父さんお母さんには、子どもを育てる為の経済力がない、という事になります。
お父さんお母さんへの経済的サポートが必要ということです。
時間がかかるのであれば、子どもを一時的に預ける。

実際、児童相談所で働いている時は、お父さんお母さんが
借金を返済するまで子どもを預かる、という事はありました。
親から引き離すためではなく。
お父さんお母さんも、子どもに苦しい思いをさせたくない、という思いでした。
経済的に苦しい、満足な食事を与えられない、加えてお父さんお母さんは
昼夜を問わず、働かなくてはならないので、子どもの面倒を見れないから。
勇気が必要な決断ですが、子どもを為を思ってと泣きながら
子どもを預けに来るお父さんお母さんはいました。

子どもの貧困がクローズアップされるのは大切なことです。
子どもを救うのは、大人の役割です。
でも、「子どもの貧困」という問題だけを見るのではなく、
子どもの貧困の背景にある、問題の本質を見失わないようにしなくては
ならないと思うのです。

子どもを救う、ということは、家族を救う、ということだから。
どんな子どもにとっても、親は一番大事な存在です。
子ども達は、優しいから、自分だけ幸せになりたいとは望みません。
お父さんお母さんが不幸だと、子どもは幸せになれません。

家庭全体の貧困を、そして苦しみを取り除く。
それが本当の意味で子どもを救うことになると思うのです。