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山脇由貴子心理オフィス

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子どもを児童相談所に保護されてしまったお父さん、お母さんのお悩み~児童養護施設からの進学と自立~

2017年09月05日

先日からブログに書いています、
高校生の娘さんを児童相談所に保護されてしまい、
審判中のお父さん、お母さんのお話の続きです。

今、お父さん、お母さんがとても心配されているのは、
娘さんの高校卒業後の進路の事です。
娘さんは、私立の大学への進学を希望しています。
将来の夢があり、学部も決めているのです。

「児童養護施設から、私立の大学には行かれるんですか?」
お母さんは言いました。
「行かれない訳ではありません。」
私は答えました。

実際、児童養護施設から私立の大学に、行かれない訳ではありません。
今は、児童虐待防止法も改正されたので、
最長22歳まで、施設での生活を認められる場合もあります。
その必要性があるごく一部のお子さんですが。

でも、養護施設から大学に進学するというのは、
本当に大変なことです。
以前、私が児童相談所で働いていた頃に、
進学を目指していたお子さんは、塾の費用は
施設から出してもらえませんでした。

そして、当然、学費は子どもが自分で負担します。
返さなくて良い奨学金もありますが、
もらえる子はやはり一部のお子さん。
大半の子どもは、奨学金という形で借金をして
進学します。
そして大学に合格出来たとしても、
やはり大半の子はアパートで一人暮らし。
家賃も生活費も稼がなくてはなりません。
加えて、奨学金で集められるのは大体、学費の初年度分のみ。
だから、家賃と生活費を稼ぎながら、
さらに2年目以降の学費も稼がなくてはならないのです。

大変なことです。

私が担当していたお子さんは、高校卒業後、
私立大学に入学し、アパートでの生活を始めましたが、
1年で辞めてしまいました。
理由は、
「働いてばっかりで、勉強する時間もないし、
 遊ぶことなんて出来ないし、友だちも出来ないし、
 仕事で疲れるばっかりで、大学がちっとも楽しくない」

仕方がないことだな、と思います。
18歳で、働きながら勉強する。
なかなか出来ることではありません。
進学しないで自立する子たちだって大変です。
中には、就職できず、バイトで稼いだ
月12万で一人暮らしをしている子もいます。

娘さんを児童相談所に保護されてしまったお母さんは
娘さんをどうしても希望の大学に入れてあげたいのです。
出来ることなら、苦労なんてせずに。

しかも、児童相談所の担当者は、最初は、
「大学は、施設のお金をかき集めて、行かせます」
と宣言していたそうです。費用はすべて出す、と。
なのに、後になって、お母さんに対して
「娘さんは、大学費用をご両親が出してくれないのでは、
 と不安になっています」
と言い出したんだそうです。

お母さんは「あれ?」と思ったのです。
全部出してくれるんじゃなかったの?
それじゃあ、娘は不安になって当然、と。
余計に心配になってしまいました。
絶対に帰って来て欲しい、と。
塾も行かせたいし、大学も行かせたいから、と。

きっと、児童相談所の担当者は、施設から、
「大学費用全額なんて出せない」
と言われたんでしょうね。
子どもの人生に関わる重大事なのに、
無責任な発言はして欲しくないものです。

ちなみに、児童養護施設からの進学や就職に、
児童相談所の担当者は関わりません。
施設に職員が子どもと一緒に考えるのです。
そもそも、児童相談所の担当者なんて、
コロコロ変わるので、娘さんが高校卒業時に
今の担当者がいるとも限りませんし。

娘さんの人生、どうなってしまうのでしょう。
審判はこれからです。