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山脇由貴子心理オフィス

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家庭内暴力 ~実は大切なのは対応の仕方を知ること~

2016年02月23日

少し前になりますが、掲示板に家庭内暴力についてのご相談がありました。
ブログの方で丁寧に書こうと思っていて、少し遅くなってしまいました。すみません。

お子さんの家庭内暴力で悩んでいる親御さんはたくさんいます。
暴力が日々エスカレートする。
けれど、どこに相談に行っても、「ご本人を連れて来て下さい」と言われてしまい、
「相談に行こう」などお子さんに言えば、暴れるのは間違いないので、
結局相談場所がない、と諦めるしかない。
家庭内暴力に悩む親御さんに共通する悩みです。

実はあらゆる相談機関、そして精神科もそうですが、
問題を起こしている、あるいは何らかの病気を抱えているかもしれない
本人が行かなくても、一番困っている人が相談に行く場所であるべきなのです。
だから家庭内暴力も、困っている家族が相談に行くことが大切なのです。
一番重要なのは、ご家族が家庭内暴力にどのように対応するかを知ることなのです。

以前働いていた児童相談所に、中学生の息子さんの家庭内暴力に悩んでいるお母さんが相談にいらっしゃいました。
「とにかく、毎日のように暴れるんです。
 物は壊すし、壁に穴を開けるし、今はドアも壊れていて・・・」
お母さんは、児童相談所に来る前に、いくつかの相談機関に相談し、
加えて病院の精神科にも相談に行っていました。
「どこに行っても、『本人を連れて来ない・・・』と言われてしまって」
家で暴れている子を相談に連れて来れるわけがありません。
「学校の先生に相談しようかとも思ったんですけど、
 学校では全く問題を起こしていなくて、むしろおとなしい子なので・・・」
実は、家庭内暴力のお子さんの大半が学校では良い子なのです。
これはDV(夫婦間暴力)、つまり奥さんを殴る男性にも共通しています。

私は、お母さんに提案しました。
「しばらく、お母さんだけでも通ってみてはどうでしょうか。
 そしてもし可能なら、お父さんも」
幸いなことに、お父さんは自営業で、時間は比較的自由になる方だったので、
次にはお父さんも一緒に来て下さいました。

お子さんの暴力に、どのように対応するか。
私は1つ1つご両親と話し合いました。
「お子さんがお母さんに暴力を振るったら、お母さんは家の外に逃げて下さい。
 お父さんがいらっしゃる時は、お父さんが盾になってあげて下さい」
お父さんに暴力を振るわないわけではないけれど、それでも女性より男性の方が力はあります。

「私の作った料理を食べないんです。『こんな飯食えるか!』って言って
 食卓をひっくり返し、コンビニで買い物して来いって、行かされるんです」
「食卓をひっくり返すのは止めらないと思いますが、
 コンビニに買い物に行くのは頑張ってやめましょう」
私が言うと、
「行かないと暴れるんです。あとは、『金よこせ』って」
お母さんは言いました。
「お金は絶対に渡さないでください。それから、外には出て下さい。お父さんが帰ってくるまで、どこかで待っているようにしましょう」
「出来るかしら・・・」
お母さんは不安そうでした。当然です。言うことを聞けば暴れないでいてくれるなら、
言うことを聞いてしまった方が楽。そう考えてしまいます。
「頑張って下さい。お母さんが言いなりにならなくなると、
 一時的に暴力はエスカレートすると思います。
 でも、その時こそ、ご夫婦で頑張って下さい」
私がそう言うと、お父さんが言いました。
「本当におさまるんでしょうか。息子の暴力は・・・」
私は言いました。
「必ずおさまります。息子さんの暴力を長引かせないためにも、今、頑張って下さい」
暴れるのが怖くて、子どもの言いなりになり続けて、
結果、20歳を過ぎても暴力がおさまらない。
そんな家族もたくさん見て来ました。
でも、児童相談所も18歳までのお子さんの相談しか受けられません。
まして20歳を超えたお子さんの相談を受けてくれる所は公的機関ではほぼありません。
いくつになっても、親からすれば子どもは子どもなのに・・・

お母さんを励まし続けるためにも、お母さんには週1回通って頂くことにしました。
お父さんは来れる時だけ来て頂いて。

もうずいぶん前のことなのですが、このご両親は本当に頑張りました。
お父さんも2週に1回のペースで来て下さり。
予想通り、一時お子さんの暴力はエスカレートし、
お父さんが盾になるのが間に合わず、お母さんが殴られたり。
ご両親が寝ている時にの寝室に洗剤やらシャンプーやらまき散らしたり。

お父さんの協力があって本当に助かりました。
くじけそうになるお母さんを私とお父さんで励まし続け。

暴力を振るっても、言うことを聞いてくれない。
子どもというのは、ちゃんと学習します。
半年ほど経ったころ、お子さんの暴力は確実に減って来ました。
お母さんにも迷いが無くなりました。

結果、1年ほど通って頂きましたが、後半1年はほぼ月1回のカウンセリングとなっていました。
前にも書きましたが、お別れは寂しいですが、
私のことが必要ではなくなるのは家族にとって良いことです。

お子さんがどんな問題を起こしていても、ご両親が頑張れば、
必ず解決出来る。
お父さんお母さんが信じることが大切なんですね。