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山脇由貴子心理オフィス

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港区南青山児童相談所建設問題

2018年12月26日

港区が南青山に児童相談所を建設する予定について

住民説明会で一部住民が強く反対していることについての

報道が続いています。

 

一部の住民は「子どもが格差を感じる」と述べています。

『格差』とは何か。

そう考えた方もたくさんいらっしゃると思います。

 

港区が子ども家庭総合センター(仮称)の中に作る予定の

母子生活支援施設の子どもの中には、学校に通う子どもが

いるかもしれません。

その子ども達は本当に格差を感じるのでしょうか。

 

そもそも、大人が『格差』を作るから、

つまり偏見を抱くから、子ども社会にいじめが発生するのです。

大人が子どもの社会のいじめを作るのです。

親が、施設に通う子どもに偏見を抱いていたら、

子どもだって偏見を抱くし、一緒に遊ばないようにするでしょう。

 

実際、施設から学校に通う子ども達にとって

居心地の良い、過ごしやすい学校や地域を作ることが、

大人の責任のはずです。

 

ただ、この報道を見ていて、懸念していることがあります。

これほど、児童相談所と母子生活支援施設の場所が

有名になってしまったことです。

 

今まで、一時保護所と母子生活支援施設は住所は秘匿でした。

それは、虐待する親や、DVの加害者から、子どもと母子を守る為です。

保護された子どもやお母さんは虐待やDVの加害者が、

今いるこの場所を見つけ、自分を連れ戻しに来るのではないか、

と怯えています。

それを悪夢で見続ける子どももいるのです。

 

ですが、今回の報道で場所は完全に特定されました。

港区の児童相談所、母子生活支援施設に行くのは港区民に限られます。

つまり、港区内で、虐待を受け、保護された子どもがいる場所が

虐待する親に分かってしまう。

DV被害から逃れた母子が生活する場所が加害者に分かってしまう。

 

被害に遭って来た子どもやお母さんにとって、安全な場所ではなくなってしまうのです。

 

私も児童相談所で働いている間、子どもを保護する時には

「あなたを守るから、安全な場所に行こうね」

と言って来ました。だから子どもは保護を望むです。

その根底が覆されてしまう。

 

被害者を守る為には、港区民の被害者は他の区に保護をお願いし、

代わりに港区は港区外の子どもや母子を保護する。

被害者を守る為には当然とらねばならない対策ですが、

それがきちんと検討され、整っていくのかどうか、とても心配しています。

 

現場にいた人間としては、被害者の居場所を隠すのは

真っ先に考えなくてはならないことなので、

当然、検討され準備されている、と考えたいです。

 

ですが、その点について、説明会の内容にはなく、

本質的ではない議論が繰り返されています。

 

もちろん、行政側の説明の不十分さに問題があるのは確かです。

この先、港区は説明会を行わない、と発表していますが、

それはあまりに乱暴過ぎます。

 

住民と話し合いながら、住民の不安を解消し、妥協点を探してゆく。

それは今後必要なことですが、同時に、被害者をどうやって守ってゆくのか、

地域で支えてゆくために、住民にどんな協力をしてもらう必要があるのか。

その議論もしていって欲しいです。