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山脇由貴子心理オフィス

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相模原市児童相談所 中2男児自殺事件を考える。

2016年03月23日

相模原市児童相談所で、虐待を受けていて、何度も児童相談所に保護を求めた中2の男の子が
保護してもらえず、自殺して、亡くなってしまった、という事件が起こりました。

絶対に、起こってはいけない事件が起こってしまった、と思いました。

各ニュースは相模原市児童相談所の対応の問題を指摘しており、
それが間違っているとは思いませんが、
相模原市児童相談所だけの問題ではなく、
全国の児童相談所の問題として考えなくてはいけない。
現場にいた私は思っています。

なぜ、彼を保護してあげなかったのか。
一つ考えられるのは、児童相談所が虐待を認識してから、
両親、お子さんは児童相談所に通っていた。
「ちゃんと通ってくれているのだから」
「だから大丈夫だろう」
児童相談所の職員は、そう思ってしまいがちです。
通ってくれていることが、虐待の抑止につながり、
親子関係の改善につながっている。そう思ってしまう人は少なくないと思います。

そして児童相談所に両親、子どもが通わなくなってしまい、
児童相談所は、学校でお子さんと面接をした。
「家の居心地は悪いけれど、学校は楽しく通っている」
彼の言葉を「学校に楽しく通っているのだから大丈夫だろう」
そう思ったのではないかと思います。私の推測に過ぎませんが。

虐待を受けている子の中に、「学校は楽しい」と言う子は少なくありません。
なぜなら、学校の方が、家よりも居心地が良いから。

「傷やあざはないから」
これも、児童相談所の職員が、保護の判断基準とする一つの材料です。
身体に傷、あざはない。
でも、心は見えないから。
心がどれだけ傷ついているのか。それを見極めるのが、
児童相談所の心理の仕事だと私はずっと思って来ました。

そして、一時保護に両親が同意してくれなかったから保護しなかった。
児童相談所には、両親が同意しなくても、児童相談所が職権で保護できる権限があります。
でも、子どもを保護しかたらと言って、児童相談所とご両親の関係は
終わる訳ではありません。
子どもについて、家族について、話し合いを繰り返さなければなりません。
だから、全面的な敵対は避けたい。
その気持ちも分からなくはないけれど・・・

厚木では、児童相談所に相談していたのに、お母さんが子どもを殺してしまった
という事件がありました。

児童相談所は、子どもにとっても、お母さんにとっても、最後のセイフティネットでなければ
ならないと思うのです。
子どもも、お母さんも、お父さんも「ここに来て、救われた」そう、思ってくれる場所。

でも、「緊急性はない」と児童相談所は判断した。
相談した側は、どう思うでしょうか。
「相談したけれど、助けを求めたけれど、なにもしてくれなかった」
「だったら、自分で解決するしかない」
そう、追い込まれてしまう。

相模原市児童相談所を批判したい訳ではありません。
でも、児童相談所は、どうしたら、本当の意味で、子どもを救えるのか。
目に見えない、心の緊急性をどうしたら見極められるのか。

「児童相談所の判断に間違いなかった」と言い切るのではなく。
間違えたんです。だから子どもは死んでしまったんです。
相模原市の児童相談所の事件だけでなく、あらゆる虐待死は。
だから、これから間違えないように、どうしたら良いのか。

児童相談所がどう変わってゆくべきなのか、考え続けたいと思っています。