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山脇由貴子心理オフィス

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相模原市児童相談所中2男児自殺事件を考える その2~虐待している子をなぜ親は手放さないか~

2016年03月24日

昨日も、相模原市の児童相談所での中2の男の子の自殺については書きましたが、
考える所がたくさんある事件なので、今日も少し書いてみたいと思いました。

今回、子どもが保護を願い出たのに、「親が同意しなかった」という理由で
児童相談所は保護をしなかったことは問題視されていて、
私も大きな問題だと思っています。
でも、これも、相模原市の児童相談所の問題ではなく、
多くの児童相談所で同様の事が起こっていると思います。

親の同意が得られないので児童相談所が保護しなかった理由は前回書きました。
でも、なぜ、虐待している親が、子どもを手放すことに抵抗するのか。
そんな疑問を抱く方もいらっしゃるのではないかと思います。

多くの、虐待する親は、子どもを児童相談所に預けることに抵抗します。
それは、一つには自分の暴力が露呈されるのを恐れてかもしれません。
ですが、「しつけ」の範囲と思って暴力を振るっている親御さんの多くは、
自分たちの力で、子どもを良くしなくてはならないと本気で思っています。
そして、自分たちしか子どもを良く出来ないと。
他人になんか、任せられない。自分の子なんだから、と。
他人に、児童相談所に任せたら、きっと子どもはもっと悪くなる。
そう思っている親御さんも少なくありません。

大人が、考え方を変えるにはとても時間がかかります。
その間、子どもは被害に遭い続けてしまうのです。
だからこそ、保護を優先しなくてはならないのです。

そしてもう一つ。児童相談所は、児童相談所に通っている中で、
親子関係は良くなっていた、と認識していた。
けれど、親御さんはむしろ悪くなっていたと感じていた。
子どもは児童相談所に通うことで心を閉ざしていった、と
報道されていました。

実は、これも起こり得ることです。
児童相談所の職員は、親御さんへの指導をする一方で、
子どもに対しては、
「暴力を振るわれるのは、あなたが悪いせいではない」
「大人が子どもに暴力を振るうのは許されることではない」
と伝えることが多いはずです。
もちろん、相模原市児童相談所の職員がこの通りに言ったかはわかりません。
ですが、私は子ども達に伝えて来ました。

そう言われた子どもはどんな気持ちになるでしょう。
「自分は悪くなかったんだ」
と救われた気持ちになるのです。
だから、親から怒られた時、暴力を振るわれた時、
今までよりちょっと強い気持ちになるのです。
「悪いのは親の方だ」

親御さんは、今までもよりも反発するようになったと感じるでしょう。

だから、児童相談所の職員は、いえ、子どもに関わる職業の人達すべては、
自分の言葉が、子どもにどんな風に響き、子どもはどんな気持ちになり、
親子関係はどうなってゆくかをきちんと考えながら、子どもに言葉を伝えなくてはならないと思うのです。
自分の言葉に責任を持って。

だから私は伝えて来ました。
「暴力を振るわれるのは、あなたが悪い訳じゃない」
と言った後には、必ず、伝えました。
「だから本当に辛くなったら、逃げていいんだよ」
その言葉は、絶対に実行する、という決意を持って。

「あなたが悪いんじゃない」と言われ、救われた気持ちになった子が、
助けを求めても、助けてもらえなかったとしたら。
子どもは、どんな気持ちになるでしょうか。
切なすぎます。

繰り返しになりますが、これは相模原市児童相談所だけの問題ではありません。

だからこそ、私は、児童相談所の職員の方たち、そして子どもに関わる現場の方たちにお願いしたいのです。
自分の言葉がどんな風に、子どもに響き、どんな風に子どもの心を動かすのか。
それを考えながら、子どもに接して欲しい。

そして、もう一度考えて欲しいのです。
児童相談所の絶大なる権限はすべて、子どもの安全のためにある、ということを。