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山脇由貴子心理オフィス

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虐待通報されてしまったお母さんの悲しみ~辛い子育てをしないために~

2016年10月05日

児童相談所に相談にやって来たお母さんは、
赤ちゃんの泣き声で何度か近所から児童相談所に
虐待通報されてしまったお母さんでした。

意外でした。虐待通報されて、相談にいらっしゃるお母さんってとても少ないのです。

お母さんはとても悲しみ、悩んでいました。

「夜泣きが、ひどいんです。毎晩私も眠れなくて・・・
 日中も、一度泣き出すと激しいし、長いし、
 いつか通報されてしまうんじゃないかとずっと不安だったんです」

赤ちゃんはまだ生後4か月。泣くことしか表現手段を持たない時期です。

「主人も忙しくて、親戚も近くにいないし・・・
 子育てが辛くなって時に通報されてしまって・・・
 うるさいだろうから仕方がないんだって思う気持ちもあったんですけど、
 2回目に児童相談所の人が家に来た時には、
 『私は虐待しているって近所の人に思われているんだ』って思って
 それからは毎日悲しくて悲しくて・・・」

そう、児童相談所は、近所から虐待が疑われる、という通報があれば、
家庭訪問をするのです。

お母さんは、毎日赤ちゃんに、
「お願いだから泣き止んで」
と言いながら、自分も泣いているのだというのです。

「泣き止まないので口をふさいでしまったこともあります」
泣き声で、児童相談所に通報されるのが怖い。だから子どもの泣き声を
どうにかしようと口をふさいでしまった。そういうお母さん、実は多いのです。

「タオルを口に当てようとしたこともあって・・・
 自分で自分が怖くなったんです」
その時に、ご主人が児童相談所に相談に行くように勧めてくれたんだそうです。
「私は相談なんて、虐待をしている母だと思われてるんだから行けないって言ったんですけど、
 主人が『だって相談する場所だろ?警察じゃないんだから』って言って・・・」
勇気を出して相談に来てくれたんです。

ご主人の判断はとても正しかったんです。
お母さんが児童相談所に通って来てくれていれば、
近所からまた通報が入っても、児童相談所が関わっているお母さんなので、
家庭訪問はすることはありません。
私がそう説明しするとお母さんは本当にほっとし、
「これで玄関のチャイムに怯えなくていいんですね」
と言ってくれました。最近では、チャイムに怯えるあまり、
鳴っていないのに鳴っている気がしたり、
出るのが怖くて、ご主人がいない時は宅急便も受け取れなかったんだそうです。

お母さんには赤ちゃんを連れてカウンセリングに通ってもらう他、
保健師さんに定期的に家庭訪問してもらう、
地域の子育て広場にも通ってもらう事にしました。
お母さんサポートチームの発足です。

お母さんには、辛い時に辛いと言える人が増え、
助けて、と言える人も増え、赤ちゃんが夜泣きしても
動揺したりパニックになる事が減りました。
それが赤ちゃんにも安心を与えました。
赤ちゃんはお母さんの気持ちにとっても敏感なんです。

虐待通報は、子どもを虐待から守るために必要なことです。
児童相談所の家庭訪問も重要です。
けれど、残念ながら児童相談所に通報されるのが怖くて、
その気持ちが、お母さんに子どもの口をふさぐような
虐待につながってしまうことも起こり得るのです。

お母さんの負担にならないような家庭訪問が出来て、
そしてお母さんの子育ての悩みを聞いてあげるきっかけと
なるような家庭訪問が出来る、そんな児童相談所になってゆくといいな、と願っています。