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山脇由貴子心理オフィス

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里親の80%以上「養育困難を感じる」 NHK調査~里親制度の問題~

2018年03月30日

NHKの調査により、里親の80%以上が、

預かった里子を育てるのに困難を感じていることが分かりました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180328/k10011381891000.html

広く知られるべき事実だと思います。

児童相談所が保護する必要がある子どもは、

大半が愛着に問題を抱えています。

大人に懐かない。

可愛がっても反発を繰り返す。

嘘をついたり、物を盗んだりする。

何度注意しても同じことを繰り返す。

 

こうした子ども達を育てるのは、経験を重ねた施設職員でも大変な事です。

里親さんが大変な苦労をするのは当然で、

しかし、その苦労についてはまだまだ知られていません。

 

そして委託解除の経験を持つ里親さん、

つまり、子どもを育てられない、と児童相談所に

帰さざるを得なかった里親さんも25%。

私の児童相談所勤務経験からは、もっと多い印象です。

それは、子どもの愛着の問題が深刻だからであり、

里親さんのせいではありません。

けれど、子どもにとっても、里親さんにとっても、

心の傷として残ってしまいます。

 

こうした状況は、やはり里親さんを支える制度がないからです。

以前に比べれば、児童相談所の里親支援は手厚くなってはいますが、

それでも、日々の悩みや苦しみを丁寧にサポートする、

という状況には至っていません。

 

真実告知も、児童相談所が子どもに対して何もしてくれない、

という不満もよく聞きました。

どの様に真実告知をしたらよいか、と

私の所にご相談にいらっしゃる里親さんもいらっしゃいましたが、

ごく一部の方で、いずれかは児童相談所の児童福祉司が

真実告知や生い立ちの整理をしてくれるだろうと期待していたけれど、

いつまでもやってくれない、という不満を抱く方の方が多かったです。

 

私は、児童相談所に勤務している間ずっと、

子どもを帰さざるを得なくなった里親さん達の

事例集を出すべきだと言い続けていました。

それにより、まず児童相談所の職員が、

里親委託にはどんな困難があり、里親さんがどれだけ苦しむかを

理解する必要があると思ったからです。

けれど、私の主張は実現される事はなく、

里親の体験発表会では綺麗な話ばかりが発表されていました。

 

もちろん、里親の登録研修や、実際に委託をお願いする時には、

児童相談所が保護する必要がある子どもを育てる大変さは

説明しますが、実際に子どもを預かる前に聞いても、

実感が持てないのは当然です。

 

これから、里親委託率を増やす方向は続いていくと思います。

けれど、これまで、里親委託に対して、児童相談所は慎重であったにも関わらず、

今回の調査のような結果が出ています。

アンケートに答えていない里親さんの中には

もっと苦しい思いをした方もいらっしゃると思います。

 

私も、児童相談所で働いていた時、里親委託率を増やすよう、

年度内に何人子どもを委託するか、数値目標を出すよう、

管理職に言われたことがありました。

子どもの人生を、職員の数値目標で決めるなんて

出来るはずがないので、もちろん無視しました。

営業じゃないんだから。

 

里親委託率を増やす方針を出す厚労省の職員、

そして、児童相談所の職員に、委託率を増やすよう指導する管理職は

まず、自分が里親を経験すべきだと思います。

大変さを経験したら、きっと、里親委託を増やすのは難しいと気づくでしょう。

 

子育てに苦労され、相談にいらっしゃっている里親さんもいます。

私もこれからも、困っている里親さん達の力になれるよう頑張ります。