office yamawaki

山脇由貴子心理オフィス

〒104-0061 中央区銀座8-17-5 アイオス銀座

営業時間:12:00~19:00(最終予約) (土日も予約可)

電話番号:03-3248-8813

ホームプロフィールブログ

ブログ

2016年10月

いじめ認知 過去最多~それでも知られていない子ども社会のいじめの実態~

2016年10月28日

小・中・高のいじめの認知件数が過去最多であった、と報道されていました。

子ども社会に「いじめはない」とするのではなく、積極的に発見し、
早期に組織的に解決に取り組むことが浸透されて来た結果。
とも報道されていました。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO08884200X21C16A0CR8000/

いじめが早期に発見される事は良いことです。
でも、発見されているのはごく一部。
今回の調査結果も氷山の一角だと思います。
私は、児童相談所で働いていた時も、今も、
子ども達の話から、いじめが決して減っていないこと、
いじめの内容も質も、エスカレートし続けていることを聞いています。

子ども社会で起こっているいじめの実態を、大人はまだ把握し切れていません。
そして、携帯電話とインターネットを使ったいじめは、
調査結果をはるかに上回ります。

ネットの中で「あの子、援助交際してる」などの誹謗中傷を流される。
「先生といやらしいことしてた」など、先生を巻き込んだ誹謗中傷もあります。
「お母さんが担任の先生と不倫している」など、家族に関する誹謗中傷も。
いずれもいじめの被害者本人、家族の人格を貶めるような内容です。
そして、その内容を本人は否定することが出来ないのです。
必死になって否定すれば、「ほら、本当のことだからムキになってる」と笑われ、
いじめなんだから、耐えるしかない、と被害者が黙っていると、
「ほら、本当のことだから何にも言えない」とやっぱり笑われ。
次第に誹謗中傷は、本当のことのように扱われるようになります。
すると加害者達は言うのです。
「仕方ないじゃん、あの子、援助交際なんかしてるからいじめられちゃうんだよ」
加害者によって作られた作り話によっていじめが正当化されてしまうのです。

そして、やはりもはや主流となってしまったLINEを使ったいじめ。
グループLINEから外された。
それだけで号泣する子どもがいます。
そして、グループLINEから外され、でも、戻してくれた。
喜んでスマホの画面を見ると、自分の悪口だらけだった。
そんな話もたくさん聞きます。

転校してしまえば。
携帯を変えてしまえば。
救われるのだろうか。

子ども達は悩みます。
けれど結局は逃げられない。携帯を持っている限りは。
きっと自分は見つけ出され、同じ目に、いやもっとひどい目に遭わされるだろう。
「逃げやがって」
と。

大人にいじめられている事を相談出来ずに苦しんでいる子はたくさんいます。
お父さん、お母さんに、先生に相談出来ている子はごく一部です。
なぜなら、大人に告白すれば、自分はもっとひどい目に遭わされる、と思っているからです。
いじめからは逃れられないから。だからじっと耐えるしかない。嵐が過ぎ去るのを待つように。

私たち大人は、子どもが告白してくれるのを待つのではなく、
見つけてあげなくてはならないと思うのです。

今回の調査で、気になることはたくさんありました。
都道府県格差。
それは重要なことでしょうか。
いじめの多い都道府県は、まるで教育に問題があるかのように受け止められてしまいます。
子ども社会はどこにだっていじめは起こり得るのです。

そして、本当にいじめは解決出来ているのでしょうか。
全国で講演会などをするたびに、どうやったらいじめを解決できるのか、
悩んでいる先生にたくさん出会います。
子どもを救ってあげたいのだけれど、どうしてよいのかわからない。

だから私は、『教室の悪魔』と『震える学校』を書いたのです。
少しでも、先生達の考えるヒントとなれば、と思って。

今月も、長野などで、いじめに関する講演会をさせていただきます。
テーマは「大人のすべきこと」。
聞いて下さる皆さんと一緒に、子どもの為に何が出来るかを、考えたいと思っています。

大阪 4歳男児行方不明 児童手当詐取容疑で両親逮捕~行方不明の子ども~

2016年10月25日

大阪で、本当に嫌な事件が起きてしまいました。
4歳の男の子の安否が確認できない。
両親は「一緒に住んでいた」として、児童手当の詐取容疑を否認。

今回の逮捕は、児童手当詐取ですが、重要なのは子どもの事です。
しかもこの両親は、平成24年大阪府富田林市で、生後間もなく行方不明となった
男の子の叔父と叔母で。
「朝起きたら死んでいたので埋めた」と供述。
警察は遺体を見つけられず、不起訴。

これだけでも、とんでもない話です。
しかも生活保護の不正受給で有罪判決。

誰もが抱く疑問を、私も抱きました。
行政は、児童相談所は、何をしていたのだろう。
報道によれば、4歳の男の子は、出生後一時施設に預けられていて、
両親との同居を再開した後に行方不明になっている。
富田林で、両容疑者が生後間もない甥の遺体を埋めたのが
平成24年。生活保護不正受給で有罪になったのも平成24年。
細かな時系列は分かりませんが、4歳の男の子が
生まれたのも平成24年。

家に帰して良かったのでしょうか。
誰の目にでも明らかな、ハイリスク家庭。
男の子を家に帰した後は、行政側はどのような関わりをしていたのでしょうか。
男の子の安否が分からなくなったのは、姿が見えなくなったのはいつなのでしょうか。

居所不明児童。すなわち姿が確認出来ない、安否が確認できない子どもに対する
行政の対応は徹底しているはずです。

そして、これだけのハイリスク家庭に、児童相談所が、行政が
「何もしていなかった」
とは思いたくありません。

明らかにして欲しいと思うのです。
後ろめたいことがないのであれば、なおのこと。
表面的な検証ではなく、担当者個人の責任追及をするのではなく。
何を間違えたのか。どうすればこんな失敗は防げたのか。
その事も、明らかにして、こんごどういう風に改善してゆくのかを
具体的に公表して欲しいと思うのです。

もちろん、男の子の所在は明らかになっていません。
今後、見つかることを祈るばかりです。
けれど、この両容疑者という両親のもとで、
彼が、幸せな生活を送っていたとは、私には思えないのです。

その事だけでも、児童相談所、行政が反省すべき点だと思うのです。
全ての子どもは、幸せに生きるべき存在だから。

ノンストップ、生出演しました「新世代モンスターペアレント」

2016年10月20日

ノンストップ画像

フジテレビのノンストップ、生出演して来ました。
「あなたの知らない世間」というコーナーで、内容は「新世代モンスターペアレント」。

新世代モンスターペアレントの特徴としては・・・
1.モンスターペアレントの親に育てられた子ども世代が親となり、
  学校を追い込んでいる。
2.家族総出で学校に苦情を申し入れる。
  怖いですよね。でも、もともと、新世代モンスターの親は、元祖モンスターなわけで、
  すぐに一緒になって学校に乗り込む、というケースが増えているのです。
  議員や、弁護士、遠い親戚なども連れてくるケースも増えています。
3.クレームの内容が次第に変わってゆく。
  具体的には、「学校が古い」→「校舎を建て替えろ」「うちの子だけ、職員室のトイレを使わせろ」「担任を変えろ」など。
4.学校への苦情はストレスの発散
  先生に対する意識が変化してきており、「私たちの税金で給料をもらっている」と考える親も増えています。
  なので、店員に文句を言うのと同じように、苦情を言うのです。
5.先生が辞めるまで追い詰める
  モンスターペアレントによって、辞職や休職に追い詰められる先生が増えています。
  それは、新世代モンスターペアレントは、ストレスの発散が目的なのですが、一方で、その自分の抱える
  ストレスの原因が分かっていないので、自分でもゴールが分からず、結果、先生が辞めるまで追い詰めてしまうのです。
  「先生にセクハラされた」という嘘を校長に伝えたり、先生の転勤先にまで伝えたり・・・先生の人生を破滅させかねない事まで
  するのが新世代モンスターペアレントです。
6.ターゲットは学校の先生だけじゃない!習い事の先生も。噂をSNSで拡散します。
  新世代モンスターペアレントは習い事の先生もSNSで悪い噂を拡散します。
  習い事は先生にとっては生活が懸かっている商売です。生徒を減らしたくないあまり、親の習い事時間外までも
  「子どもを預かってくれ」という要求に従わなくてはならなくなり、その噂が広まってしまい、託児所代わりに使われ、
  お教室を閉めざるを得なくなった先生もいます。

 そして、新世代モンスターペアレントは、仲間を増やす事、つまり同調してくれるママ友などの味方を増やす事で、
 「自分のしている事は正しい」と自分の行動を正当化してゆきます。
 一方、同調して仲間になる親には新世代モンスターのターゲットになることを恐れている人もいます。
 子ども社会のいじめと同じです。
 そして、2世代で学校にクレームを入れる家族も、実は夫は、妻の言うことが「おかしいな?」と気づいていたり
 するのですが、反発すると、妻と妻の両親に自分が攻撃されるのを恐れて、同調する男性もいるのです。

 モンスターペアレントに関するご相談は増え続けていますし、職場研修の依頼なども増え続けています。
 これからのことも、ますます心配です。

 

「児童相談所に子どもをさらわれた」お父さん、お母さんのお悩み

2016年10月18日

「児童相談所に子どもをとられてしまった」

そんなご相談が増えて来ています。

児童相談所で働いている時にも
「児童相談所に子どもをさらわれた」
「誘拐された」
「拉致された」
そんなネットへの書き込みは目にしていました。

なぜ、「さらわれた」と思われてしまうのか。
児童相談所から離れ、悩んでいるお母さんやお父さんのお話を聞く立場となり、
その原因は何なのかを改めて考えています。

一番大きいのは、児童相談所側の説明不足なのではないかと思っています。
「きちんと説明している」
児童相談所の方は言うでしょう。
でも、いきなり子どもを連れて行かれたお父さん、お母さんにしてみれば。

「なぜ、子どもが連れて行かれたのかが分からない」
自分達の、一体何がいけなかったのだろう?

「子どもがどんな生活をしているのかが分からない」
「今、子どもがどんな気持ちでいるのか分からない」
そして、子どもに会わせてもらえない。連絡を取る手段がない。
元気にしている、日課に沿った、規則正しい生活をしている。
勉強もきちんとしている。
そう、説明はされるけれど。

実際、児童相談所に保護された子どもが、どんな1日を送っているのか、
それは明らかにされていません。勉強の内容も分かりません。

そしてお父さん、お母さんには、児童相談所が何をしているのか、
これからどんな風に進んでいくのかが分からない。
「調査している」
と言われても、どんな調査なのかが分からない。
そして、自分達が何をすればいいのか、
どうすれば子どもを帰してもらえるのかが分からない。
ただ毎日、児童相談所からの連絡を待つしかない。
こちらから、児童相談所に電話を入れても、
担当者は不在ばかりで連絡がつかない。

子どもは、いつまで帰って来ないのか。
いつまで学校を休ませなくてはならないのか。
学校に、お友達にはなんて説明したらいい?
ご近所にだって、親戚にだって。
「児童相談所にいきなり連れて行かれた」
なんて、相談できる人は限られています。
どうしたらいいのかなんて、誰も分かりません。

児童相談所には、親の同意がなくても子どもを保護出来る権限があります。
厚生労働省も、今までは「原則、親か子どもの同意が必要」
だった指針を「同意が望ましい」と変更しました。
それは子どもを虐待から守るために、必要であり、重要なことです。

でも、お父さん、お母さんに納得してもらえる説明は必要だと思うのです。
それは、児童相談所で働いていた人間としての反省も含めて。
児童相談所は、なぜ子どもを保護したのか。
これから何をどんな風に進めてゆくのか。
子どもを帰してもらうためには、お父さん、お母さんは何をすればよいのか。

納得し切れないお父さん、お母さんもきっといるでしょう。
それは当然です。
だからこそ、丁寧な説明が必要なのだと思うのです。

そして、重要なのは、児童相談所の透明性。
何が起こっているのか、どんな議論がされているのか、どんな風に仕事は進められているのか。
子どもはどんな毎日を、どんな気持ちで送っているのか。
子どもが生活する、一時保護所とは、どんな所か。
そして、子ども、家族に関する決定は、誰が、どんな風に決めるのか。

「児童相談所が関わったのには、家族にとって、意味があった」
そんな風に思ってもらえる場所に、児童相談所はならなくてはならないと思うのです。

9月に発売した本、『児童相談所が子供を殺す』について、
「児童相談所の子ども狩り」「拉致・誘拐」について書かれていない、
との感想を頂いております。

今後、児童相談所はどう変わるべきか。その事と合わせ、
考えていかなくてはならないと思っています。

虐待通報されてしまったお母さんの悲しみ~辛い子育てをしないために~

2016年10月05日

児童相談所に相談にやって来たお母さんは、
赤ちゃんの泣き声で何度か近所から児童相談所に
虐待通報されてしまったお母さんでした。

意外でした。虐待通報されて、相談にいらっしゃるお母さんってとても少ないのです。

お母さんはとても悲しみ、悩んでいました。

「夜泣きが、ひどいんです。毎晩私も眠れなくて・・・
 日中も、一度泣き出すと激しいし、長いし、
 いつか通報されてしまうんじゃないかとずっと不安だったんです」

赤ちゃんはまだ生後4か月。泣くことしか表現手段を持たない時期です。

「主人も忙しくて、親戚も近くにいないし・・・
 子育てが辛くなって時に通報されてしまって・・・
 うるさいだろうから仕方がないんだって思う気持ちもあったんですけど、
 2回目に児童相談所の人が家に来た時には、
 『私は虐待しているって近所の人に思われているんだ』って思って
 それからは毎日悲しくて悲しくて・・・」

そう、児童相談所は、近所から虐待が疑われる、という通報があれば、
家庭訪問をするのです。

お母さんは、毎日赤ちゃんに、
「お願いだから泣き止んで」
と言いながら、自分も泣いているのだというのです。

「泣き止まないので口をふさいでしまったこともあります」
泣き声で、児童相談所に通報されるのが怖い。だから子どもの泣き声を
どうにかしようと口をふさいでしまった。そういうお母さん、実は多いのです。

「タオルを口に当てようとしたこともあって・・・
 自分で自分が怖くなったんです」
その時に、ご主人が児童相談所に相談に行くように勧めてくれたんだそうです。
「私は相談なんて、虐待をしている母だと思われてるんだから行けないって言ったんですけど、
 主人が『だって相談する場所だろ?警察じゃないんだから』って言って・・・」
勇気を出して相談に来てくれたんです。

ご主人の判断はとても正しかったんです。
お母さんが児童相談所に通って来てくれていれば、
近所からまた通報が入っても、児童相談所が関わっているお母さんなので、
家庭訪問はすることはありません。
私がそう説明しするとお母さんは本当にほっとし、
「これで玄関のチャイムに怯えなくていいんですね」
と言ってくれました。最近では、チャイムに怯えるあまり、
鳴っていないのに鳴っている気がしたり、
出るのが怖くて、ご主人がいない時は宅急便も受け取れなかったんだそうです。

お母さんには赤ちゃんを連れてカウンセリングに通ってもらう他、
保健師さんに定期的に家庭訪問してもらう、
地域の子育て広場にも通ってもらう事にしました。
お母さんサポートチームの発足です。

お母さんには、辛い時に辛いと言える人が増え、
助けて、と言える人も増え、赤ちゃんが夜泣きしても
動揺したりパニックになる事が減りました。
それが赤ちゃんにも安心を与えました。
赤ちゃんはお母さんの気持ちにとっても敏感なんです。

虐待通報は、子どもを虐待から守るために必要なことです。
児童相談所の家庭訪問も重要です。
けれど、残念ながら児童相談所に通報されるのが怖くて、
その気持ちが、お母さんに子どもの口をふさぐような
虐待につながってしまうことも起こり得るのです。

お母さんの負担にならないような家庭訪問が出来て、
そしてお母さんの子育ての悩みを聞いてあげるきっかけと
なるような家庭訪問が出来る、そんな児童相談所になってゆくといいな、と願っています。