office yamawaki

山脇由貴子心理オフィス

〒104-0061 中央区銀座8-17-5 アイオス銀座

営業時間:12:00~19:00(最終予約) (土日も予約可)

電話番号:03-3248-8813

ホームプロフィールブログ

ブログ

2017年8月

児童虐待 施設内で144件 16県市、公表義務守らず 14・15年度、69自治体調査(毎日新聞)

2017年08月22日

このニュース。
もっと大きく扱われるべきだと思います。

https://mainichi.jp/articles/20170819/dde/041/040/011000c

児童相談所によって、児童養護施設や里親、知的障害児施設などに
入所となった子どもが、施設職員や里親から虐待を受けた件数です。

そもそも、虐待を受けた子どもが、安全を守る為に行った
施設や里親宅で虐待を受けるなんて、あってはならないことです。
そして、報告義務がある自治体の四分の一が実行していない、
なんて、とんでもない話です。
記事にもあるように、問題意識が希薄過ぎる。
そして厚労省が、2013年度以降、公表していなかった事を
「事務作業が滞っている為」
と言い訳した事も呆れます。
役所の典型の言い訳。

そしてやはり記事にもありますし、
以前私もブログに書きましたが、
厚労省は未就学児の原則施設措置を停止し、
75%を里親に委託することを目標にしましたが、
里親宅でも虐待された子がいる現実があります。

でも、私が一番思ったのは、この公表されている数字は
氷山の一角だろうな、という事です。
施設や里親宅で叩かれたり、怒鳴られたりしても、
誰にも言えずに我慢している子はたくさんいるはずです。
だって、誰かに言ってしまえば、
自分は居場所を失ってしまうから。
そしてまだ十分に自分の気持ちを語れない、
幼児さんもたくさんいます。

そして一番の問題は、この「施設」に一時保護所が含まれていない事です。
児童養護施設や里親さんに措置となった子どもには、
子どもの権利ノートが渡され、
その中には、施設や里親宅で虐待された時に、
外部の窓口に相談出来るハガキも入っていたり、
施設に弁護士さんがオンブズマンとして
入っていたり、自分の権利を主張出来る
方法が与えられています。

でも、一時保護所の子には、何の手段もありません。
保護所にいる間、会えるのは児童相談所の職員だけ。
一時保護所の職員に怒鳴られたり、叩かれたりしても
その事を相談出来る人はいないのです。
子どもの権利ノートも渡されません。
もし、子どもが自分の担当の児童福祉司に相談したとしても、
結局身内同士ですから、それが数字として外部に数字として
出されることはありません。

はっきり言ってしまえば、もみ消されてしまうんですね。

私が児童相談所で働いている時にもありました。
担当している子どもが一時保護所で怒鳴られたり。
高校受験を目前にしている子どもが
一時保護所の職員から
「お前んなんて、高校なんか行けない」
と言われたり。

虐待を受けた子どもが児童相談所が関わった事で
再度傷つけられる。
その現実こそ、報道されるべきです。

厚労省が、全国の一時保護所を調査する事は決まっています。
ぜひ、子どもたちの声を、聴いて欲しいで

児童虐待最悪12万件、「心理的虐待」が半数~その理由~

2017年08月17日

2016年度の全国の児童虐待が過去最悪の12万件、
その半数が「心理的虐待」と報じられました。

http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e5%85%90%e7%ab%a5%e8%99%90%e5%be%85%e3%80%81%e6%9c%80%e6%82%aa%ef%bc%91%ef%bc%92%e4%b8%87%e4%bb%b6%e2%80%a6%e3%80%8c%e5%bf%83%e7%90%86%e7%9a%84%e8%99%90%e5%be%85%e3%80%8d%e3%81%8c%e5%8d%8a%e6%95%b0/ar-AAqeacG?ocid=spartandhp

「児童虐待って実際に増えているんですか?」
と、取材でもよく聞かれます。
数字だけ見れば、激増し続けているように見えます。
でも、私は19年間、児童相談所で働き、
単純に激増し続けている、とは言えないと思っています。

児童相談所への虐待の相談・通報が増え続けているのは確かです。
でも、それは世間の皆さんの認識の高まりが一つ大きな要因です。
虐待が疑われたら、児童相談所に通報しなくてはならない。
子どもに関わる職業の人間は、当然知っています。
そして、東京は、住宅が密集している事も関係していると思いますが、
近隣の方達からの通報がとても多いのです。
私も、児童相談所で働いている時は、
毎日のように、ご近所の方からの通報が入っていました。

子どもの尋常ではない泣き声がする。
大人の怒鳴り声が続いている。
などです。

こうした、世間の意識の高まりによって、
実際、児童虐待を早期に発見出来るようになったのはとても良いことです。
そして、これが児童虐待の通報件数を増やしているとも言え、
つまり、今まで放置されていた、あるいは
発見されなかった虐待も発見されるようになった、という事です。

そして心理的虐待の増加。
これは私も現場で実感していました。
これはいじめにも共通しているのですが、
子どもに対する身体的虐待が減ってきているのです。
つまり、虐待者である親も、学んでいるのです。
傷、あざを残せば、児童相談所がやって来て、
子どもを保護されてしまう事。
そして自分は逮捕されるかもしれないこと。
だから傷、あざは残さない。
児童相談所は必要があれば、子どもの身体の洋服で隠れた部分も確認しますから。
悪質な親は、傷、あざが子どもに出来てしまったら、
保育園や学校を休ませたりもしますが、
しばらく子どもの姿を確認出来なければ、
児童相談所は家庭訪問をして、確認しますから。

だから必然的に、言葉での虐待、
つまりは心理的虐待が増える訳です。
そして、きょうだい間で一人だけ差別する、
なども心理的虐待。
ドメスティック・バイオレンス、
夫婦間暴力を目撃するのも心理的虐待です。

「児童虐待」とみなされる親の行動の幅の広がりも
数字を増やしている要因の一つです。

さらには、児童相談所の統計データの取り方にもからくりがあります。
近隣からの怒鳴り声や泣き声の通報も
児童虐待の疑いがある通報は、児童相談所は
全て「虐待」として受けなければならない、というルールがあります。

ですが、実際調査してみると、虐待ではなかった、
というケースも当然ある訳です。
その場合、「虐待ではなかった」として終了するのですが、
通報を受けた、その入り口が「虐待」であった以上、
この、「虐待ではなかった」ケースも、児童虐待の通報として
カウントされる訳です。
そして、同じご家庭が2度、3度、近隣から通報されれば、
2度目、3度目も新たな虐待としてカウントされます。

なので、虐待通報のうちのどれだけが実際の虐待であったか、
という数字が出されないと、児童虐待が現実にどれだけ増えているのか、
分からないのです。

最近は、近隣トラブルで、虐待通報する人もいますから。

今後は現実に児童虐待があり、児童相談所が継続的に
関わった、という数字が出されるといいな、と思います。

児童相談所に子どもを保護されてしまったお父さん、お母さんのお悩み~児童相談所との裁判~

2017年08月09日

今回は、以前から書いている、高校生の娘さんを
児童相談所に保護されてしまったお父さん、お母さんのお話の続きです。

児童相談所に子どもを保護され、
児童相談所と話合いを繰り返しても
子どもを帰してもらえる見込みはなく、
以前書いた通り、私立高校の保証人も
児童相談所に勝手に変更されてしまった
お父さん、お母さんは、児童相談所に判断を任せるのではなく、
家庭裁判所の審判を希望しました。
そしていよいよ、家庭裁判所からの通知が来ました。

送られて来たのは、
・審判期日の通知と呼び出し状
・児童相談所の「施設入所が必要」という申立書
・その他、事務手続きに関する書類
ざっとこんな内容です。

児童相談所に訴えられた訳ではないのですが、
呼び出された日に行けばよい、という訳ではなく、
お父さん、お母さんも、自分達の主張をしなくてはなりません。
お父さん、お母さんは書記官から、
「答弁書」
を作るように言われました。
そして、お母さんがずっとカウンセリングに通っていた
私の話も聞いて欲しい、と
家庭裁判所に強く希望された為、私も
「陳述書」
を書くことになりました。

私は、児童相談所が作る書類については
経験上よくわかっているので、陳述書を書くのは
さほど大変なことではありません。
ですが、お父さん、お母さんにとって、
「答弁書」を書くのはとても大変なことです。

まず、当たり前に、裁判所に提出する書類とは
どんなものであるべきなのか、一般の人には分かりません。
何をどんな風に書けばよいのも分かりません。
多くの親御さんが弁護士を依頼する気持ちが
分かりました。

ですので、答弁書作りもお手伝いしました。
お手伝いしながら、大変さをさらに実感。
児童相談所の申立書に沿って、
事実に反する事は、反論し、事実を説明する。
このご家庭の場合、児童相談所の書類が、
住民票を見ればわかることから間違っていたので、
そこから間違いを指摘。

そして以前書いた通り、お母さんが子どもの
携帯を見ることを「虐待」とされていたので、
そもそも携帯はお母さんのものであって、
娘のものではない事を説明。

その他、児童相談所が「虐待」と判断している内容について、
間違いの指摘と事実の説明。
さらに、今までの子育ての振り返り、
保護に至ってしまった事についての反省。

今後、どの様な子育てを考えているか、
子どもとの関係修復にどんな方法を考えているか。
協力者には誰がいるか。

出来るだけ詳しく書きました。
そして、気をつけなくてはならないのは、
児童相談所に対する不満があっても
児童相談所への不満や悪口は書かないこと。
そして、感情的にならない事。

お父さん、お母さんは私のアドバイスに従って、
頑張って答弁書を作りました。
ご両親の答弁書と私の陳述書で合計A4 21枚。
力作です。

おかげで、審判当日、裁判官に
「申し分のない答弁書」
と誉めて頂いたそうです。
良かった、よかった。

ただし、審判当日は、
児童相談所とご両親の意向は
やはり一致しない事の確認で終わりました。

なので審判は継続しています。
続きはまた進展があり次第。

厚労省 虐待児ら施設入所停止 里親委託75%目標

2017年08月03日

厚労省が、虐待を受けた子どもの施設入所を原則停止、
里親委託75%を目標とする方針を出しました。

http://mainichi.jp/articles/20170801/k00/00m/040/119000c

非現実的だな、と思います。

里親委託数が少ないのは、里親が少ないことだけが
理由ではないですから。

赤ちゃんであれば、まず発達が順調かどうかを
確認しなくてはなりません。
発達に遅れがある事が委託後に分かると、
里親さんが
「やはり育てられない」
と子どもを児童相談所に帰す可能性があるからです。

そして、自分の子どもがいない里親さんは
児童相談所としては
「育てられるのか?」
と不安になります。
里親委託後の里親さんへのケアや指導は
昔よりは整って来たとは言え、
それでも毎週家庭訪問するなんてことは出来ません。

そして虐待を受けて来た子どもはとにかく
色々な面で手がかかります。
以前にドラマにもなっていましたが、
様々な問題行動を次々にするのです。
お手上げになってしまう里親さんは
少なくありません。
私も、児童相談所で働いていた時に、
里親さんに
「せめて普通の子だったら・・・」
と子どもを帰されてしまった事がありました。
児童相談所が預からなくてはならない子どもを
育てるのはとっても大変ですよ、
と研修の時から何度もお伝えするのですが。

そして里親さんだって、出来る事なら
長期間育てたいと思います。
里親さんの中には、児童相談所の勝手な都合で
育てていた里子ちゃんを連れて行かれてしまった人や、
突然、実親が「引き取りたい」と言い出したから、
と子どもを連れて行かれてしまった方がたくさんいます。
長い期間、育てられる保証がないなら、
あとで寂しい思いをするのなら、
と委託を受けない方だっているのです。

そして、まだ小さい子どもだと、どうしたって
お母さん、つまり里母さんに出来るだけ
長い時間一緒にいて欲しい、と児童相談所は考えます。
なので、働いている里母さんは出来れば避けたい。
里親さんにすると、仕事は続けたいけれど、
実の子じゃないから、育児休暇が取れない、
なので、委託してもらえない、
という方もいます。

厚労省はDVの目撃など、専門的ケアが必要な子は
施設入所を認める、としていますが、
児童相談所があずかる子どものほぼ全員が専門的ケア
が必要な子です。
だから結局、里親委託ではなく施設入所となる子が
多い状況は変わらないのだろうな、と思います。

そして一番の問題は。
委託後に、うまく行かなかった場合を考えていない事です。
子どもを里親さんに委託し、しばらく育てたけれど、
やっぱり育てられない、となってしまった場合。
子どもは心に傷を負うことになります。
そして里親さんの心の傷にもなります。
だから、原則里親委託、なんて方針は乱暴すぎる、
と私は思うのです。