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山脇由貴子心理オフィス

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2017年11月

札幌女性殺傷、12歳少年を児相通告~少年の今後と児童相談所の関わり~

2017年11月28日

札幌市で、12歳の少年が女性を殺傷した事件が報道されています。

https://mainichi.jp/articles/20171128/k00/00m/040/196000c

報道にあるように、
「人を殺すことを想像した」
「人を傷つけたい気持ちがあった」
という少年の供述は、信じられない方も多いと思います。

でも私は、児童相談所で働いていた頃、
同じような気持ちを持った子どもに会った事がありました。
少年は、確かに「普通の子」とは違いますが、
他にも、同じような子どもはいるかもしれない。
その事は、大人は知っておかなくてはならないと思います。

少年は、警察からの通告で児童相談所に一時保護されています。
まず、警察からの通告とは、14歳未満の少年は刑罰の対象にならないので、
警察が児童相談所に少年の今後の方針や、指導を委ねるのが
「通告」です。そこから児童相談所に一時保護となる場合と
在宅のまま調査や指導が行われる場合があります。
当然ですが、少年が家で生活を続けることが危険な場合は
即、一時保護となる訳です。

警察はこれから、殺人未遂で、少年を児童相談所に送致する、
と報道の中にありますが、「送致」とは、「通告」よりも
重たい措置です。
重大犯罪の場合に、児童相談所に「送致」される訳です。
児童相談所側の受け止めも、重たくなります。

そして今、少年は児童相談所の一時保護所にいると思われますが、
今後は、児童相談所から家庭裁判所送致、となるでしょう。
警察から「送致」された子どもの全てが、
家庭裁判所に送致される訳ではありません。
児童相談所が児童相談所の判断で施設に入れる場合もあります。

ですが、「殺人未遂」であり、「人を殺す事を想像した」
少年を児童相談所は扱いきれないと思います。
だから、家庭裁判所に、少年の処遇の判断を委ねると思います。

少年の今後の選択肢は3つ。
1.児童自立支援施設
  ここは、児童福祉法の範囲内の施設であり、児童相談所が少年を施設に入れる事が出来ます。
  家庭裁判所の審判で「児童自立支援施設入所」と決定される場合もあります。
2・少年院
  以前に、知り合いの検事さんに聞いた話ですが、裁判所というのは、
  一度も裁判所を裏切った事がない少年をいきなり少年院に入れる、という事は
  まずないのだそうです。
  つまり、家裁の審判で、「もう2度と悪いことはしません」と約束したのに、
  また同じような犯罪を犯した。これが裁判所を裏切った事になるという事らしいです。
  この少年の場合は、過去に家裁の審判を受けた事はないように思いますので、
  少年院はあり得ないのかな、とも思いますが、犯罪の重大性から可能性はあると思います。
3.医療少年院
  この選択肢が濃厚かなと私は勝手に思っています。
  自立支援施設で指導してゆくには重たすぎる。
  そして少年の言動から、医療的ケアを要する可能性はある子かな、
  と思ってもいます。

いずれにせよ、少年の生育歴、犯罪に至った経緯を詳細に調べ、
同じような事を繰り返さない為に、何が必要かの分析が大切ですね。

座間市9遺体事件について、毎日新聞にコメントが載りました。

2017年11月20日

毎日新聞11月18日

先日ブログに書いた、座間市9遺体事件の被害者について、
毎日新聞の取材を受けました。

前にも書いた通りなのですが、
この事件から、大人が知らなくてはいけないのは、
被害者の女の子達は、特別な子達ではなく、
どこにでもいる子たちだ、という事なのだと思うのです。

容疑者は、過去に水商売の女の子のスカウトをしていて
とても口がうまく、
だから容疑者と以前、一緒に住んでいた、
という女性はたくさんいるそうです。

ツイッターでも容疑者とコンタクトをとり、
「もしかしたら私が10人目だったかも」
「あと一歩で私が殺されていたかも」
という女性はたくさんいるそうです。

ふと「死にたい」と思う。
それは、ごく普通の生活を送っている人でもある事です。
そして、子ども達は、失うものがないから、
「死」は大人よりも身近です。
私も、児童相談所で働いている時から、
死にたい気持ちを抑えられない子、
大人になった今でも苦しんでいる子に
たくさん会って来ましたし、
今も会い続けています。

自分の子どもが、自分の教え子が、
自分の身近な子ども達が、そんな気持ちになった事はないか。
意外に、大人達は知らないものです。

子どもはなかなか話してくれないから。

被害者の予備軍はたくさんいるはずです。
今もSNSに書き込みをしていたり、
自殺サイトを覗いていたり。

子どもは話してくれないから。
だから大人が察してあげなきゃいけないのだと思うのです。
そして子どもが「相談したい」という大人にならなくては。
何より、「死にたい」なんて思わない、
幸せな毎日を、与えてあげなくては。

私も目指し続けたいと思っています。

座間市9遺体発見事件~なぜ、被害者の女性達は犯人に会いに行ったのか~

2017年11月07日

座間市のアパートで9人の遺体が発見された事件は、衝撃的でした。
報道も、続いています。

報道を見ていて思いました。
犯人が9人殺した動機や方法を調べる事は
もちろん大事だけれど、
なぜ被害女性達が、犯人に会いに行ったのか。
それを考える事も重要だと思うのです。

でも、児童相談所で働いている時から、
私もたくさん出会って来ました。
ネットで知り合った男性に会いに行ってしまう女の子。
北海道まで行ってしまう中学生の女の子もいました。

犯人は自殺サイトで被害女性達と知り合った、と報道されています。
そして、犯人は、「本当に死にたい人は1人もいなかった」と
言っている、とも。

犯人の言葉が真実かは分かりませんが、
私が出逢って来た、自殺サイトに書き込みをする女の子達が
本当に訴えたいのは、
「死にたい」という事ではありませんでした。

彼女達が苦しんでいるのは、どうしようもない「孤独」でした。
家族がいても、友だちがいても、誰も自分の苦しみを理解してくれない。
本当の悩みを打ち明けられない。
だから、ネットの中で、理解してくれる人を探すのです。
そして抱えている孤独があまりに強い為、
ネットの中で優しくしてくれて、
自分の気持ちを理解してくれるような事を
言ってくれる人に出逢ってしまうと、
実際にその人に、会いに行ってしまうのです。
そして、犯罪被害にあってしまう。

今回のような、殺人にまでは至らずとも、
性犯罪被害にあってしまった女の子はたくさんいます。
風俗で働かされた子もいました。
報道されないので、知られていないのです。

こうした事件が繰り返されない為に。
その為に必要な事は、どうしようもない孤独を抱えている
子どもや大人をどう救うか。
それがとても重要だと思うのです。

自殺サイトを管理する事も必要だし、
電話相談を充実させる事も大事かもしれませんが。
でも、現実に苦しんでいる子どもや人達は救われていないのです。

どうしたら苦しんでいる子どもや大人が、
誰か、相談出来る人を見つけられるか。
それは逆に言えば、家族や身近な人に
相談出来る人がいない、という事でもあります。

以前から書いていますが、やっぱり大人が、
自分の身近な子どもにとって「相談したい」
と思える大人になるしかないと思うのです。