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山脇由貴子心理オフィス

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相模原市児童相談所 中2男児自殺事件を考える。

2016年03月23日

相模原市児童相談所で、虐待を受けていて、何度も児童相談所に保護を求めた中2の男の子が
保護してもらえず、自殺して、亡くなってしまった、という事件が起こりました。

絶対に、起こってはいけない事件が起こってしまった、と思いました。

各ニュースは相模原市児童相談所の対応の問題を指摘しており、
それが間違っているとは思いませんが、
相模原市児童相談所だけの問題ではなく、
全国の児童相談所の問題として考えなくてはいけない。
現場にいた私は思っています。

なぜ、彼を保護してあげなかったのか。
一つ考えられるのは、児童相談所が虐待を認識してから、
両親、お子さんは児童相談所に通っていた。
「ちゃんと通ってくれているのだから」
「だから大丈夫だろう」
児童相談所の職員は、そう思ってしまいがちです。
通ってくれていることが、虐待の抑止につながり、
親子関係の改善につながっている。そう思ってしまう人は少なくないと思います。

そして児童相談所に両親、子どもが通わなくなってしまい、
児童相談所は、学校でお子さんと面接をした。
「家の居心地は悪いけれど、学校は楽しく通っている」
彼の言葉を「学校に楽しく通っているのだから大丈夫だろう」
そう思ったのではないかと思います。私の推測に過ぎませんが。

虐待を受けている子の中に、「学校は楽しい」と言う子は少なくありません。
なぜなら、学校の方が、家よりも居心地が良いから。

「傷やあざはないから」
これも、児童相談所の職員が、保護の判断基準とする一つの材料です。
身体に傷、あざはない。
でも、心は見えないから。
心がどれだけ傷ついているのか。それを見極めるのが、
児童相談所の心理の仕事だと私はずっと思って来ました。

そして、一時保護に両親が同意してくれなかったから保護しなかった。
児童相談所には、両親が同意しなくても、児童相談所が職権で保護できる権限があります。
でも、子どもを保護しかたらと言って、児童相談所とご両親の関係は
終わる訳ではありません。
子どもについて、家族について、話し合いを繰り返さなければなりません。
だから、全面的な敵対は避けたい。
その気持ちも分からなくはないけれど・・・

厚木では、児童相談所に相談していたのに、お母さんが子どもを殺してしまった
という事件がありました。

児童相談所は、子どもにとっても、お母さんにとっても、最後のセイフティネットでなければ
ならないと思うのです。
子どもも、お母さんも、お父さんも「ここに来て、救われた」そう、思ってくれる場所。

でも、「緊急性はない」と児童相談所は判断した。
相談した側は、どう思うでしょうか。
「相談したけれど、助けを求めたけれど、なにもしてくれなかった」
「だったら、自分で解決するしかない」
そう、追い込まれてしまう。

相模原市児童相談所を批判したい訳ではありません。
でも、児童相談所は、どうしたら、本当の意味で、子どもを救えるのか。
目に見えない、心の緊急性をどうしたら見極められるのか。

「児童相談所の判断に間違いなかった」と言い切るのではなく。
間違えたんです。だから子どもは死んでしまったんです。
相模原市の児童相談所の事件だけでなく、あらゆる虐待死は。
だから、これから間違えないように、どうしたら良いのか。

児童相談所がどう変わってゆくべきなのか、考え続けたいと思っています。

『最強の食事』でダイエット~ダイエット中に食べて良いスイーツ~

2016年03月17日

児童相談所で出逢ったお母さん達について書き続けていましたが、
今日は久しぶりにダイエットネタです。
以前に、『最強の食事』でダイエットをしていることはご紹介しました。
今日はその、シリコンバレー式『最強の食事』に基づいて、
食べても良いスイーツのご紹介です。

最強の食事

最強の食事では、炭水化物は摂り過ぎは良くないけれど、
白米、特に冷めたご飯は良いとされています。
なので、和菓子、特にお団子は○なのです。
みたらし団子はお醤油を使っているので小麦は入っていますが、
少量なのでOKです。と、解釈しています。
砂糖は摂り過ぎなければ良いので。

とにかく最強の敵は小麦なので、残念ですが、
ケーキ、クッキー、ビスケット、パンケーキはダメなのです。
グルテンは中毒性が高いので、もっともっと食べたくなってしまうのです。

意外に○だったのがグミ。
物によっては植物性油脂が入っているので、これはダメです。
植物性の油は酸化してしまっているので・・・
数は少ないですが、油を使っていないグミがあり、
グミに含まれるゼラチンは脳のパフォーマンスを上げてくれるそうです。
コラーゲン、ビタミンCが入っているもののあるので、助かりますね。

後、これはつい最近見つけたのですが、
ココナッツオイル入りのチョコレート。
銀座のMATSUYAの地下で売っています。
カカオバターは○ですし、ココナッツオイルもぜひ摂りたい食材。
しかもMATSUYAで見つけたチョコレートは
砂糖を使っておらず、カカオバターとココナッツオイル、ココナッツシュガー
で作られており、すべて有機栽培。
ありがたいですね。

ちなみに、お米が○なので、おせんべいも、油を使っていなければ
食べてOKなお菓子です。

『最強の食事』でダイエットを始めてほぼ4か月。
太らない体になってきています。

ココナッツオイル入りチョコは、後日写真もご紹介しますね!

プレジデントファミリーに載りました。

2016年03月10日

プロフィールプレジデントファミリー記事プレジデントファミリー表紙

3月5日発売のプレジデントファミリーの特集記事にコメントが載りました。
良い記事に仕上がっているので、ぜひご覧ください。

子育て雑誌っておもしろいですね。
今回は子どもの学力を上げる教育方法が色々載っています。
学習方法だけでなく、生活習慣、加えて「育脳弁当」も。

以前頂いたのは「学費高騰」。
今は、公立大学も私立大学と同じくらいお金がかかるらしんです。

子育てって本当に大変ですよね。

辛い子育てをしないために ~子育ての仕方が分からない~

2016年03月04日

広島県の呉で、また児童虐待による死亡事件がありました。
虐待はそう簡単にはなくならない。
現場で感じ続けたことです。
でも、育てられないなら、育てたくないなら、
預けて欲しい。ずっと、思い続けています。

さて、今日書くお母さんのことで、
最初に児童相談所に電話があったのは保育園の園長先生からでした。
「とにかく、子育てが出来ていないんです。
 朝ごはんも食べさせていないことが多いし。
 洋服もタオルもいつも汚れていて。
 プールの日に身体がすごく汚れたまま来ることもあって・・・」
保育園からは、何度もお母さんに注意をしているそうです。
でも、一向に変わらないので、プールのある日は、保育園でシャワーを
浴びさせてあげたり、タオルも保育園のタオルを使わせてあげたりしているそうです。
お子さんはまだ1歳半。心配です。

お母さんには、園長先生から児童相談所に連絡を入れることは
伝えて下さっているということだったので、私はお迎えの時間に
保育園に出向いて、お母さんにお会いしました。
保育園では話しにくいこともあるだろうと思い、
改めて児童相談所に来て頂くことをお約束しました。

児童相談所に来て下さったお母さんに、私は伝えました。
「保育園の先生たちは、とても心配されていて・・・
 お母さんも困っているんじゃないかって。
 何か、お力になれることがあれば、と思っているんです」
お母さんは黙ったままでした。
拒絶されてる?そう思った時でした。
お母さんが口を開きました。
「分からないんです」
お母さんは続けました。
「分からないんです。子どもの育て方も。
 私自身、親から何も教わって来なかったので、掃除の仕方や
 洗濯の仕方も分からなくて。洗濯したのに、タオルが汚いって言われてしまったり。
 ご飯も、食材は買ってあるんですけど、何を食べさせればいいのかも、
 作り方も分からなくて」
聞けば、ご主人もお母さんと同じような境遇で育って来たとか。
そしてお母さんは、19歳でお子さんを出産。
まだ、お母さん自身が、大人になり切れていないんです。

お母さんには、また児童相談所に来て頂き、お話を聞くことにしました。
でも、もう一つ。やらなくてはならないことがあります。
今、一番お母さんに必要なのは、お母さんへのサポートです。

私は、このご家族に関わる人達に集まって頂き、みなさんと話し合いました。
保育園の先生、保険相談所の保健師さん、福祉事務所の方。
みなさん、お母さんが子どもを可愛く思えないとか、
子育てをしたくないわけではない、ということにほっとして下さりました。
そして、喜んでお母さんのお手伝いをしたい、と。

保育園の先生は、引き続き、気になることをお母さんに伝えながら、
どうしたら良いかを具体的にお母さんに教えて下さることに。
保健師さんは、定期的にお家を訪問し、お母さんの困っていることを聞いて下さることに。
福祉事務所はお家にヘルパーを派遣。
ヘルパーさんは、掃除や料理を、お母さんと一緒にして下さることに。
お母さんサポートチームが出来ました。

お母さんは、家に人が出入りすることも嫌がらずに受け入れてくれ、
関わってくれる人たちの話を、素直に、静かに聞いてくれているとのことでした。

3か月経ったころ、児童相談所に来てくれたお母さんは言いました。
「少しだけ、掃除の仕方とか、分かって来ました。
 洗濯ものの片付けかたとかも。
 主人も、掃除を一緒にしてくれるようになって」

保育園からは、心配なことがあると連絡を頂きましたが、
みなさんが根気よく、お母さんを支えてくれ、
そしてお母さんの成長を感じてくれていました。

6か月が経ちました。お子さんは2歳になりました。
私は、お家を訪問させて頂きました。
お父さんとお母さん、そろって迎えて下さいました。

お家は、きれいに片付いていました。
古いアパートでしたが、清潔さも感じました。
「お母さん、よく頑張りましたね」
私がそう言うと、
「みなさんのおかげです」
お母さんはそう言った後、
「やっぱり、家がきれいだと気持ちがいいんですね。
 最近、料理も楽しくなってきて・・・」
素晴らしい。
お母さん、本当によく頑張りました。お父さんも。

子育ての仕方が分からない。自分の子育てに自信がない。
そんな悩みを抱えたお母さんはたくさんいます。
どうか一人で抱え込まないで、誰かに相談して下さいね。
力になってくれる人は必ずいるはずです。

辛い子育てをしないために ~子どもが学校に行きたがらない~

2016年03月01日

子どもが小学校に入学したけれど、学校に行きたがらない。
小学校生活をスムーズにスタート出来ないと、お母さんたちは不安になります。
最近あまり聞きませんが、「小1プロブレム」という言葉も話題になりました。

その日、児童相談所にやって来たお母さんも悩んでいました。
「娘が学校に行きたがらないんです。入学式の後、数日は行けたんですけど・・・」
娘さんが小学校に入学して、まもなく3週間。ゴールデンウィーク直前の事でした。
「幼稚園の時は嫌がることなんてなかったんです。毎日楽しく通っていて。
 小学校も、行けた日は『楽しかった』って言っていたんですけど・・・」
お母さんの心配は当然です。子どもが学校に行きたがらなくなると、
多くのお母さんは、「このままずっと不登校になってしまうのでは」という不安を抱きます。

「私が校門まで一緒に行ったことも何度もあるんです。
 家を出る時はご機嫌だったのに、学校に着いて、私が帰ろうとすると
 私にしがみついて大泣きするんです。
 そういう娘の姿を周りの子がどう思うかも心配で、
 もうやめたんですけど・・・」

娘さんにもお会いして、お話ししました。
最初はちょっと照れていましたが、元気で明るいお嬢さんでした。
娘さんの心理テストも一通りしましたが、特に心配な所はありませんでした。

「少し、時間をかけて待ってあげて良いと思いますよ」
私がそう言うと、お母さんはため息をつきながら言いました。
「主人も『しばらく様子を見ろ』って言うんです。
 私が心配し過ぎなんだって。
 でも、このままずっと学校に行かれなかったらどうしようって
 思ってしまうんです。
 周りの子たちは元気に学校に通っているのに・・・
 娘の方は、家の中では元気に遊んでいて・・・
 それを見ているとイライラしてしまう時もあって・・・」
私は言いました。
「そうですよね。学校休んで、なに遊んでるのって
 思っちゃいますよね」
お母さんは何度もうなずいた。
「でもね、お母さん」
私はお母さんに伝えました。
「幼稚園と学校って、子どもにとってものすごく大きな差があるんです。
 時間の長さも違うし、幼稚園の頃は常に大人が周りにいたのに、
 学校では大人がいない時間もあります。
 遊べる時間も短いし。
 自分のことは自分でやらなきゃいけないし。」

「心理テストの結果で特に心配な所はありませんでしたけど、
 娘さんは、お母さんと離れると不安になってしまうんだと思います。
 周りは知らない子もたくさんいるし」
「そうなんでしょうか・・・」
お母さんはまだ不安そうです。
「新しい場所で、知らない子に囲まれて過ごすんです。
 不安もいっぱいあって当然です。
 今はまだ娘さんにとって学校に行くということは
 『お母さんに置いて行かれた』
 と感じてしまうんだと思います。
 小学校の入学の時期は決められているけれど、
 子どものスタート出来るタイミングはそれぞれ違うんです」
「そういうものなんでしょうか・・・」
「はい」
私は続けました。
「娘さんは今、心の中で準備をしています。
 そして、子どもというのは毎日家の中にい続けると
 ちゃんと退屈を持て余すようになります。
 だから学校に行きたくなるはずです」

学校に行かれない間は、児童相談所に通ってもらうことにし、
お母さんはしばらく様子をみることに納得して下さいました。

ですが、私が娘さんと児童相談所でお会いしたのは
3回だけ。
6月に入る頃には、娘さんは自分から
「学校行ってみようかな」と言うようになったのです。

すぐに毎日行けるようになったわけではありませんが、
お母さんの気持ちも落ち着き、時々不安になった時に
電話を頂くだけになりました。

前回のブログの「言葉の出始め」と同じで、
お母さんが子どもの発達を「待つ」のは意外に大変なことです。
でも、やっぱり子どもによって発達のペースは違うもの。
待ってあげることは大事ですね。

 

子育ての悩み ~「うちの子、まだ言葉が出ないんです」~

2016年02月26日

子どもがいつ話し始めるか。
これって、お母さんにとって、とても重要な問題ですよね。

その日、児童相談所にやって来たお母さんは悩んでいました。
「うちの子、1歳半になるのに、まだ言葉が出ないんです」
お母さんは続けます。
「ネットで調べたり、育児書を読んだりすると、
 なんか、全部書いてあることが少しずつ違ったりして・・・
 どれを信じてよいのか分からなくなっちゃって」
そうなんです。情報があり過ぎるんです。
そしてネットは特に間違っている情報も入っているし。
お母さんたちは混乱してしまいます。
私は尋ねました。
「声は、出ているんですよね?」
「うーとか、あーとかは言います。でも意味ある言葉はまだ・・・」
お母さんは言いました。
「たぶん、ご存じだと思いますけど、子どもの発達って個人差が大きいんです。」
お母さんはすぐに答えました。
「知っています。でも、どこまでが個人差なのか、分からなくて。
 もしかしたら発達障害なんじゃないかって・・・」

うちの子、発達障害かも。
そういう不安を抱えるお母さんもたくさんいます。
ネットで調べてADHD(注意欠陥多動性障害)のチェックリストを
やってみたら、全部当てはまった、って不安になるお母さんも。
発達障害かどうかなんて、チェックリストだけでは絶対に分かりません。
例えば、じっとしていられない。
子どもなら、普通のことです。

「お子さんはまだ1歳半ですから。
 ありきたりだけど、もうしばらく様子をみて頂いて大丈夫だと思いますよ」
「でも・・・」
そうですよね。「様子をみましょう」なんて言われても安心出来ないですよね。
分かります。

「お子さんに、話しかけてはいますよね?」
お母さんは答えます。
「話しかけた方がいいって色んな所に書いてあるので、
 話しかけるようにはしてますけど・・・。
 そんなに、話すこともないので・・・」
私は言いました。
「お子さんが遊んでいたら『楽しいねー』って言ってあげるとか。
 笑っていたら『楽しいねー』って言ってあげるとか。
 後は、お母さんが思ったこと、全部言葉にしていいんですよ。
 『いい天気だね』とか。『今日は寒いね』とか。」
「それもやろうとはしてるんですけど、『どうせ意味分からないしな』って
 思っちゃうこともあって・・・」
そう思ってしまうお母さんも少なくありません。
「あとは、大人同士が楽しそうに話していることも大事なんです。
 子どもって、大人の真似がしたいから。
 おもちゃよりも新聞とか、料理道具とかに興味を持つのも、
 大人の真似をしたいからですから。」
お母さんはちょっと困った表情を浮かべました。
「でも、主人は毎日遅いですし、休みの日は疲れてずっと寝ていて・・・
 近くに親戚もいませんし。
 保育園も行ってないので、ママ友もいないし・・・」

お母さんの孤独。それがここまでお母さんを思い悩ませている原因。
そうなんです。
児童相談所に相談に来るお母さんは、深刻な悩みを抱えているお母さんもいますが、
「相談出来る人が身近にいない」からやって来るお母さんも少なくありません。

「地域に、『子育て広場』のようなものもありますから、
 そういう所に行ってみても良いと思いますよ。
 児童館でも赤ちゃんのグループをやっている所もありますし。
 あとは、1歳半検診で保健相談所に行った時に、
 月に1回とかで、発達を見てもらうとか。
 もちろん、児童相談所に定期的に来て頂いて発達の経過をみることも出来ますし」

お母さんに話し相手を作る。それが重要です。
お母さんはきっと、お子さんに話し相手にもなって欲しくて、
だから言葉が出るのを待ち望んでもいるのです。

私はちょっと考えてから提案しました。
「あとは・・・よろしければ、私からお父さんにご連絡しましょうか?
 もう少し、家にいる時間を長くしてもらって、お母さんと話す時間を増やしてもらえるように」
お母さんはしばらく考えてから言いました。
「私から、話してみます。疲れているからって、私が遠慮して
 話しかけなかったり、休みの日も起こさなかったりしていたので」
お母さん、偉い!
大切なことはちゃんと夫婦で話し合う。
それが出来なくて、困っているお母さんはとてもたくさんいます。
「あとは、2人でテレビ観て過ごしちゃったりする日もあるので、
 それはやめます」
素晴らしい!
そこに気づけたのは素晴らしいことです。

定期的なカウンセリングではなく、お子さんの発達の経過を見ながら
お母さんとお話する時間を作ることとして、
翌月に予約を入れて頂きました。

3回目にお母さんがいらした時のことです。
お母さんは言いました。
「しゃべりました!しゃべったんです!」
初回にいらした直後、お母さんはちゃんとお父さんと話し合い、
お父さんも出来るだけ早く帰ってくるようにしてくれていました。
夫婦の会話も意図的に増やすようにして下さっていました。
「すぐにお電話しようかな、と思ったんですけど、
 直接伝えたくて!」
お母さんはとても嬉しそうでした。
「それに、この子が話すようになったら、主人も嬉しくって、
 前より早く帰ってくるようになって・・・」
笑いながらお母さんは言いました。

やっぱり、子どもの成長って、親御さんにこれ以上の宝物はないですよね。

家庭内暴力 ~実は大切なのは対応の仕方を知ること~

2016年02月23日

少し前になりますが、掲示板に家庭内暴力についてのご相談がありました。
ブログの方で丁寧に書こうと思っていて、少し遅くなってしまいました。すみません。

お子さんの家庭内暴力で悩んでいる親御さんはたくさんいます。
暴力が日々エスカレートする。
けれど、どこに相談に行っても、「ご本人を連れて来て下さい」と言われてしまい、
「相談に行こう」などお子さんに言えば、暴れるのは間違いないので、
結局相談場所がない、と諦めるしかない。
家庭内暴力に悩む親御さんに共通する悩みです。

実はあらゆる相談機関、そして精神科もそうですが、
問題を起こしている、あるいは何らかの病気を抱えているかもしれない
本人が行かなくても、一番困っている人が相談に行く場所であるべきなのです。
だから家庭内暴力も、困っている家族が相談に行くことが大切なのです。
一番重要なのは、ご家族が家庭内暴力にどのように対応するかを知ることなのです。

以前働いていた児童相談所に、中学生の息子さんの家庭内暴力に悩んでいるお母さんが相談にいらっしゃいました。
「とにかく、毎日のように暴れるんです。
 物は壊すし、壁に穴を開けるし、今はドアも壊れていて・・・」
お母さんは、児童相談所に来る前に、いくつかの相談機関に相談し、
加えて病院の精神科にも相談に行っていました。
「どこに行っても、『本人を連れて来ない・・・』と言われてしまって」
家で暴れている子を相談に連れて来れるわけがありません。
「学校の先生に相談しようかとも思ったんですけど、
 学校では全く問題を起こしていなくて、むしろおとなしい子なので・・・」
実は、家庭内暴力のお子さんの大半が学校では良い子なのです。
これはDV(夫婦間暴力)、つまり奥さんを殴る男性にも共通しています。

私は、お母さんに提案しました。
「しばらく、お母さんだけでも通ってみてはどうでしょうか。
 そしてもし可能なら、お父さんも」
幸いなことに、お父さんは自営業で、時間は比較的自由になる方だったので、
次にはお父さんも一緒に来て下さいました。

お子さんの暴力に、どのように対応するか。
私は1つ1つご両親と話し合いました。
「お子さんがお母さんに暴力を振るったら、お母さんは家の外に逃げて下さい。
 お父さんがいらっしゃる時は、お父さんが盾になってあげて下さい」
お父さんに暴力を振るわないわけではないけれど、それでも女性より男性の方が力はあります。

「私の作った料理を食べないんです。『こんな飯食えるか!』って言って
 食卓をひっくり返し、コンビニで買い物して来いって、行かされるんです」
「食卓をひっくり返すのは止めらないと思いますが、
 コンビニに買い物に行くのは頑張ってやめましょう」
私が言うと、
「行かないと暴れるんです。あとは、『金よこせ』って」
お母さんは言いました。
「お金は絶対に渡さないでください。それから、外には出て下さい。お父さんが帰ってくるまで、どこかで待っているようにしましょう」
「出来るかしら・・・」
お母さんは不安そうでした。当然です。言うことを聞けば暴れないでいてくれるなら、
言うことを聞いてしまった方が楽。そう考えてしまいます。
「頑張って下さい。お母さんが言いなりにならなくなると、
 一時的に暴力はエスカレートすると思います。
 でも、その時こそ、ご夫婦で頑張って下さい」
私がそう言うと、お父さんが言いました。
「本当におさまるんでしょうか。息子の暴力は・・・」
私は言いました。
「必ずおさまります。息子さんの暴力を長引かせないためにも、今、頑張って下さい」
暴れるのが怖くて、子どもの言いなりになり続けて、
結果、20歳を過ぎても暴力がおさまらない。
そんな家族もたくさん見て来ました。
でも、児童相談所も18歳までのお子さんの相談しか受けられません。
まして20歳を超えたお子さんの相談を受けてくれる所は公的機関ではほぼありません。
いくつになっても、親からすれば子どもは子どもなのに・・・

お母さんを励まし続けるためにも、お母さんには週1回通って頂くことにしました。
お父さんは来れる時だけ来て頂いて。

もうずいぶん前のことなのですが、このご両親は本当に頑張りました。
お父さんも2週に1回のペースで来て下さり。
予想通り、一時お子さんの暴力はエスカレートし、
お父さんが盾になるのが間に合わず、お母さんが殴られたり。
ご両親が寝ている時にの寝室に洗剤やらシャンプーやらまき散らしたり。

お父さんの協力があって本当に助かりました。
くじけそうになるお母さんを私とお父さんで励まし続け。

暴力を振るっても、言うことを聞いてくれない。
子どもというのは、ちゃんと学習します。
半年ほど経ったころ、お子さんの暴力は確実に減って来ました。
お母さんにも迷いが無くなりました。

結果、1年ほど通って頂きましたが、後半1年はほぼ月1回のカウンセリングとなっていました。
前にも書きましたが、お別れは寂しいですが、
私のことが必要ではなくなるのは家族にとって良いことです。

お子さんがどんな問題を起こしていても、ご両親が頑張れば、
必ず解決出来る。
お父さんお母さんが信じることが大切なんですね。

ネット依存 ~今どきの子どものインターネット事情~

2016年02月19日

前回のブログではスマホ依存について書きました。
今回は子ども達とインターネットについて心理学的に分析します。

前回書いた通り、子どもたちの友人関係は希薄になりました。
親友にだけは本音が言えない。
ある女の子は言いました。
「だって、続いていく関係なんて、怖いじゃない」
名言です。
そうなんです。続いていく関係とは、失う不安と戦い続けるということなんです。
嫌われたくないから、この人を失いたくないから、だから本音が言えない。
どう思われるか分からないから。
恋愛では起こりがちな心理です。

でも本音が言えない関係なんて、
当たり障りのない会話をしながら笑顔で付き合う関係なんて、
そして四六時中携帯を手放せない関係なんて疲れます。
ある意味、緊張状態が続いた関係だからです。
人間は、思い切り呼吸したいように、本音を言いたいものです。

でも、親友にだけは本音が言えない。そして続いていく関係には本音が言えない。
誰なら本音が言えるでしょうか。
インターネットで出逢った人がぴったりなんです。
自分のことを知らない人だから、相手が誰かもわからないから、
だからこそ本音が言える。
匿名の電話相談のようなものです。
嫌われたって構わない。
どう思われるか気にしなくてもいい。
気が合わない、と思ったらすぐに相手を変えればよい。
だから子どもたちはインターネット世界で話し相手を探すのです。

今どき、婚活だってネットで相手を探すのはごく普通のことです。
だから子どもがネットで話し相手を探すのは悪いこと、とは言い切れません。
最初は子どもたちも「暇つぶし」程度の感覚で、話し相手を探します。
けれど、子どもたちは出逢ってしまうのです。
悩みを打ち明けているうちに、
「僕は誰よりも君を理解してあげられるのに」
「そばにいてあげられなくて残念だよ」
という優しい言葉をかけてくれる、下心に満ちた成人男性に。

小学校高学年以上の、思春期の女の子の中には、その優しい言葉に騙されてしまう子がいます。
なぜなら、彼女たちは、孤独を癒やしたくてネット世界で話し相手を探していたからです。
物理的に一緒にいるお友達はいます。
けれど、人間の孤独というのは、1人でいる時に感じる孤独よりも、
誰かと一緒にいる時に感じる孤独の方が、圧倒的に強いのです。
彼女たちは、お友達と一緒にいても孤独を感じていたのです。

だから優しい言葉に助けを求めてしまう。
最初は、「たかだかインターネットで知り合っただけだし」と暇つぶしのつもりだったけれど、
優しくされてしまうと「たまたまインターネットで出逢っただけで、私は運命の人に出逢ったんだ」
という錯覚が起こります。

だから、どこの誰かもわからない、下心に満ちた男性に会いに行き、
そして残念なことに、犯罪被害に遭ってしまう子がいるのです。

インターネットは、もはや大人にとっても子どもにとっても欠かせません。
便利であるのも間違いありません。
ですが、子どもを危険にさらしている一面もあることを、私たち大人は知っておかなくてはならないと思うのです。

そして、東京に住むある女の子は言いました。
「今の彼氏、北海道に住んでるんだよね」
「え?」
私は聞き返しました。
「どうやって、会ってるの?」
「ううん、会ったことないの」
会ったことないけど、彼氏。こんな事を言う子が増えています。
遠く離れた、ネットで知り合った『彼氏』と、ネットで連絡を取り続け、
そしてある日、親にも内緒で『彼氏』に会いに行ってしまう子も増えています。

そしてある女の子は言いました。
「うちのお父さん、LINEだといい人なんだよね。
 直接会って話すとキモいけど」
LINEの中のお父さんに、実態はあるのでしょうか。

ネットは便利。
でも、子どもを危険にさらしてしまう一面があるのと同時に、
私たちの「関係性」を変えてしまっている一面もあるように思います。
恋人同士。夫婦。親子。

子どもに携帯を持たせないのではなく、ネットの使用を制限するのではなく、
どうしたら解決できるか、これからも考えてゆきたいと思っています。

携帯依存・スマホ依存 ~今どきの子どもたちの友だち事情~

2016年02月16日

「子どもがスマホをずっといじっている」
これも、ゲーム同様、お母さんたちの共通の悩みです。

スマホを何歳から持たせるか。これもお母さんたちは悩んでいます。
「スマホを持たせてほしい」
と子どもが言い、お母さんがダメと言い、喧嘩になる。
そういう親子にもたくさん会って来ました。

確かに今どき、中学生くらいになると、スマホを持っていないと
いじめの対象になりかねません・・・
でも、スマホを買ってあげると、
「食事中もずっとスマホをいじっていて・・・」
「スマホを持ってお風呂に入ると、3時間以上入っていて、
 家族が困るんです」
お母さんたちの悩みは尽きません。

では、なぜ子どもたちは、ここまでスマホを手放せないのでしょう。
今どきの子どもたちの友だち事情は、確実に変化して来ています。
ある中学生の女の子は言いました。
「親友にだけは本音が言えないの」
?それって親友なの?思う方も多いでしょう。
なぜ、親友にだけは本音が言えないか。
それは、「KYと思われたくない」「嫌われたくない」「仲間外れになりたくない」。
本音を言うって意外と勇気のいるものです。
相手がどう思うか分からないからです。

子どもたちはいつだって、孤立すること、いじめられることを恐れています。
友だちとは有効な関係を維持していたい。孤立しないために。
だから、当たり障りのない話しながら、笑顔で付き合う。
それが今どきの子たちの友だち事情なのです。
つまり、間違いなく、子どもたちの友人関係は希薄になっているのです。

では、その希薄な関係がどうしてスマホ依存につながるのでしょう。
子どもたちが携帯を手放せないのは、
「電話が来たら必ず出なきゃいけないから」
「グループLINEが始まったら、必ず参加しなきゃいけないから」。
そうしなければ、
「明日から仲間はずれになっちゃう」
子どもたちは恐れているのです。どこかで希薄な友人関係に気づいているのです。

実際、一晩、グループLINEに参加しなかっただけで、
「LINE外し」にあってしまった、と号泣する子にもたくさん会って来ました。
たった一晩だけのことです。
でも、一晩参加しなかっただけで、翌日、友だちとの会話についてゆけなくなってしまうのです。
たとえLINE外しされなくても、仲間外れにされているように、子どもは感じます。

反して、グループLINEで誰かがクラスの子の悪口を言い始めると、
なんとなく、自分も言わなきゃいけないような感じがして、
でないと仲間外れになるような感じがして、いじめに参加してしまう子は少なくありません。
子どもたちは知っているから。いつだって自分がいじめのターゲットなり得ることを。

実はこれ、大人同士の友だち事情にも共通しています。
ママ友の関係はまさに、子どもたちの友だち事情と同じなのです。
グループLINEには必ず参加しなきゃいけない。
誰かの悪口が始まったら自分も言わなきゃいけない。
ランチに誘われたら絶対行かなきゃいけない。
でないと、孤立しちゃう。
ママ友付き合いはストレス。そんなお母さんも少なくありません。
以前にもブログに書きましたが、女同士はいくつになっても難しいのです。

お母さんも子どもも、いつでもスマホで携帯で友だちとつながっていないと、
関係が切れてしまう。そんな不安を抱え続けています。
そしてお父さんはお父さんで、仕事の連絡が24時間入るようになってしまったので
やっぱりスマホを携帯を手放せません。

結果、家族全員が食事中もスマホをずっと見つめている。
そんなご家族も増えて来ています。
なんだか、寂しい気がします。

いつでもスマホでつながっていなくてはならなくて、そして本音が言えない関係。
それって疲れる感じがしませんか?
その疲れを子どもも大人も、どうやって解消しているのでしょう。
それは次回のお話にします。次回は「子どもとインターネット」です。

誉めると叱る その2~誉める所を見つける方法~

2016年02月12日

先日、「誉めると叱る」について書きました。
今日はその第2弾「どうやって誉める所をみつけるか」についてです。

児童相談所に相談ににいらしたお母さんは悩んでいました。
小学校4年生の息子さんが毎日学校で暴れてしまうんだそうです。
「毎日、学校から電話がかかって来て・・・
 迎えに行かなくてはいけない日も多くて。
 お友達にけがをさせてしまって謝りに行かなくちゃいけない日も多くて。
 仕事にも支障が出始めているんです。」
お母さんはフルタイムで働いていました。
だから、早退があまりに多いと上司から指摘されたのに加え、
仕事もこなせなくてたまっていくばかりなのだそうです。

私は息子さんとお話しました。
息子さんは、自分が暴れてしまうことも、しっかり自覚していました。
「暴れちゃうと、怒られちゃうよね」
私が言うと、彼はうなずきました。
「先生にも怒られるし、お母さんにも怒られる」
私は尋ねました。
「どんな事した時に、誉めてもらえる?」
彼は答えました。
「誉められたこと、ない」
ないはずはないのです。きっと誉められているのです。
でも、彼の心の中は怒られた記憶でいっぱいになっているのです。

息子さんの知能検査と心理テストをし、どうやら彼には
衝動性の問題がありそうだ、という事が分かりました。
かっとなると抑えられないのです。

「暴れないように、毎日頑張ってるよね?」
私がテストを終えた時に、彼につたえると、彼は涙ぐみながらうなずきました。
「頑張ってるんだけど、出来ないんだ」
先生にも、お母さんにも怒られる上に、自分の事を責めている。
危険な状態と言えます。
自分がダメな子だと思ってしまうと自暴自棄になったり、
心の中の悲しみが暴れる、という形で爆発してしまうからです。

お母さんのカウンセリングを始めました。
今はお子さんのことが最優先です。
お仕事に関しては、上司の方に事情をすべて話してはどうでしょう、
とお母さんに提案しました。
お母さんはためらっていましたが、思い切って上司に話してみた所
「お子さんのことなら、仕方がない」
と理解してくれ、早く帰れるようにして下さったそうです。

さて、前日のブログにも書きましたが、大事なのは息子さんを叱るだけでなく、誉めること。
叱る量と誉める量は同じでなくてはなりません。
「お家でお手伝いとかはしないですか?」
私が尋ねるとお母さんは言いました。
「お手伝いさせると失敗するので、させてないんです。
 食器もしょっちゅう割っちゃうし。」
「では、息子さんにも出来る、簡単なお手伝いを一つ決めましょう」
食器ではなく、お箸を並べる。これなら食器を割る心配はありません。
決定。
「簡単なことだけど、誉めるか、『ありがとう』って言いましょうね」
お母さんに提案しました。
そして私は尋ねました。
「本当に、毎日暴れちゃうんですか?暴れない日はないですか?」
「ありません」
お母さんは即答した。もしかしたら、見落としているのかもしれない。
暴れる日があまりに多くて。

「カレンダーにシールを貼りましょうか」
私が言うとお母さんの顔に?マークが浮かんだ。
「1日の振り返りを息子さんと一緒にするんです。
 暴れて、お友達にけがをさせちゃった日は赤いシール、
 暴れたけどお友達にけがはさせなかった日は銀色シール、
 暴れなかった日は金色シールとか」

子どもの問題を解決するプロセスで、シールを貼るのは
私がよく提案する方法です。
「でも暴れない日なんかないんです」
お母さんは繰り返した。
「しばらくは、お友達にけがをさせなかった日は誉めて下さい。
 息子さんはとても頑張っています。
 それなのに、叱られるばかりではかわいそうだから、
 暴れちゃったけど、お友達にはけがをさせなかった、
 偉いね、と誉めてあげて下さい」
「分かりました・・・」
お母さんは不安そうでしたが、約束してくれました。
私はもう一つお願いしました。
「効果がないな、と思っても続けて下さいね」
子どもの問題を解決する為には、途中であきらめないこと。
やり方を変えないこと。とても重要です。

最初の1か月は赤いシールだけでした。
お母さんにはカウンセリングに通ってもらい、
カレンダーを確認しながら、私はお母さんを励まし続けました。
2か月目を少し過ぎた頃。銀色シールが一つ貼れました。
「暴れたのには間違いないんですけど、なんだか私嬉しくって」
いっぱいいっぱい、誉めてあげたそうです。
お父さんにも誉めてもらったそうです。

それから、息子さんにも一緒に来てもらう日も作り、
私もカレンダーを一緒に確認し、赤いシールだけの時は励まし、
銀色シールはとにかく私も一緒に誉めました。
銀色シールは月3日くらいに増え始めました。
そして4か月が過ぎた頃。ついに金色シールが貼れたのです!
たった1枚だけれど。

「ご褒美に、家族で食事に行きました。あの子、とっても嬉しそうで」

素晴らしい。暴れることがゼロになることはないかもしれません。
でも、月に20日間暴れていた子が、暴れる回数が19日間になった時、
私たち大人は、気づけているでしょうか。
子ども本人は必死に努力したその日の事を。

どんな問題を起こしている子でも、探せば誉める所は必ずあるはず。
どうぞお母さん達、子どもの良い所を探して、たくさん誉めてあげて下さい。

子どもにゲームをやめさせる方法~ゲーム依存と「ダメ」という言葉の効果~

2016年02月09日

「うちの子、ゲームばっかりしていて、『やめなさい』って言ってもやめないんです」

多くのお母さんに共通する悩みです。
私も以前、児童相談所でたくさんのお母さんからこの悩みを聞いてきました。

そうなんです。
どれだけ「やめなさい」と言っても「ダメ」と言っても、
子どもはなかなかゲームをやめないんです。

だからお母さん達はとっても困っているのです。

児童相談所で出逢ったあるお母さんは、中学生の息子さんの事で悩んでいました。
「何度言ってもゲームを止めないし、夜中までゲームしていて
 遅刻したり学校を休んだりするようになったので、私、電源抜いたんです。そしたら・・・」
息子さんは暴れたんだそうです。すごい勢いで。
でも、彼は、今までお母さんに激しく反発することもなく、
学校でも問題はない、むしろおとなしい男の子でした。

実は私は、カウンセリングでも講演会でも、心理学的に、
禁止の言葉は子育てと教育において、効果は薄い、とお話ししています。
車道に飛び出した子に「ダメ!」と言ったら立ち止まります。
心理学の実験でも、高い所から重たいものが落ちてくる
その真下にいる人に「危ない!」と言ったら立ち止まります。
ではなんて言えばいいのでしょう。
車道に飛び出してしまった子には「こっちおいで!」
上から重いものが落ちてくる人には「走れ!」「逃げろ!」
前にもブログには書きましたが、人というのは、具体的行動を教えないと
行動を修正出来ないんですね。

ではゲームをやめない子にはどうしたら良いか。私はお母さん達に提案しています。
「もっと、楽しいことを与えれば、自然にやめると思います。
 それも、出来ればお父さんやお母さん、家族で一緒に出来ることにして下さい」

「難しいです。一緒に出来ることなんてなかなか・・・」
「お母さん、大事なのは、何をやるかじゃなくて、誰とやるかです。
 好きな人とやれば何でも楽しいはずです。
 だから、お子さんとの間に、そういう関係をもう一度作りましょう。」
それでもお母さんがなかなか一緒に出来る事が思いつかない時は、
私はお子さんと一緒にゲームをすることを提案します。

私自身、ありました。児童相談所に通って来てくれる子と、一緒にゲームをした経験が。
中学生の男の子でしたが、持ってきてくれたのは「バイオハザード」という
ものすごく怖いゲーム。とてもじゃないけど、怖がりの私には出来ない、と
最初は思いましたが、せっかく一緒にやろうと持って来てくれたので、
挑戦してみたのです。

さっそくお子さんと一緒にゲームをし始めたお父さんは言ってくれました。
「なんか、部屋に引きこもってゲームばっかりしてた息子が、
 部屋から出て来てゲームの点数の話を始めたり。
 内容はゲームの事なんですけど、会話が増えたっていうか・・・」
素晴らしい。

そしてゲーム初体験ながらも、中学生の息子さんと「ワンピース」という
ゲームを始めたお母さんもいました。
戦うのではなく、2人で協力して、敵を倒すゲーム。
お母さんは「へたくそ!」とか息子に言われながらも、
教えてもらい、頑張って続けました。
ある日、2人で一緒に出来る所が一通り終わり、息子さんはせっせと
無料ダウンロードをしましたが、無料ダウンロード出来たのは
すべて1人でしか出来ないものでした。
その時、息子さんは言ったそうです。
「もう1人でしか出来ない所しかないから、このゲーム売ろうかな」
素晴らしい。お母さんも言ってくれました。
「なんか、嬉しかったです」

そうなんです。私も、とっても怖いゲームが楽しかったのは、
中学生の男の子と「怖いね」「怖いね」とキャーキャー言いながら一緒に騒ぎ、
どちらかがトイレに行こうとすると「ちょっと1人にしないでよ!怖いから」
と騒ぎ。それが楽しかったのです。

子どもがゲームをやめないことでお悩みのお母さんたち。
お父さんやお母さんが子どもに歩み寄ってみて、一緒にゲームをしてみて、
お子さんが「1人でやるより一緒にやった方が楽しいや」と思ってくれたら、
これは大きな前進です。
「ダメ」「やめさない」と言うよりも効果はあるはず。
ぜひ、試してみてはどうでしょうか?

でも、つくづく思うのですが、1日に出来る回数が制限されているゲームとか、
開発できないものでしょうか。
3回やったら、もう開けない。「続きは明日!」
とソフト自体に制限がかかっている。
そんなゲームがあれば、お父さんお母さんは喜ぶと思うのです。
そして、子どもだって、明日のゲームを今より楽しみに出来ると思うのです。
甘いかな・・・

誉めると叱る~「うちの子、誉める所がないんです」~

2016年02月05日

子育てにおいて、子どもを誉めるのは絶対必要。
それは多くのお母さんが分かっていることです。
けれど、前回のブログにも書きましたが、子どもが問題を起こしていると、
子どもを誉めるのはとっても大変なこと。
そして今まで出逢った来たお母さんたちの多くは、
「うちの子、誉めるところがないんです」
とおっしゃいました。

本当は、そんな事ないんです。誉めるところは絶対にあるはず。
なので、今日は、子どもを誉める方法についてです。

実は、子育てだけではなく、上司と部下の関係であっても
夫婦であっても恋人同士であっても、「誉める」ってとっても重要なんです。
人間の行動を修正するのには、誉めると叱るは同じ量でなければいけないんです。
でも、お母さんって、家族の生活をスムーズに進めるために、ついつい叱ってばっかりになりがちです。
お母さんにとっては、「叱る」のが仕事の一つでもありますから。

例えば前回書いた盗みとか。
問題を起こしている子どもをどうやって誉めるか。

お母さん達に、まずリストを作ってもらいました。
まずは、今の子どもの「無くしたい行動10項目」。
そして「増やしたい行動10項目」。
この、増やしたい行動が重要です。今、出来ていることの中から探すのです。
そして、「無くしたい行動10項目」の中のトップを「叱る行動」にします。
「増やしたい行動10項目」のうちのトップを「誉める行動」にします。
しばらくの間は、2番目以降の行動は叱らない。ただし、誉めるのはありです。
今、出来ている行動を誉める訳ですから、
例えば、朝、「おはよう」ときちんと言えたら誉める。
食事中、すぐに立ち歩いて、遊んでしまって食事がなかなか終わらない子は
3分じっと座って食事が出来たら誉める。

無くしたい行動がどれだけたくさんあっても、叱るのはしばらくは一つの行動に絞ります。
暴力なら暴力だけ。
「死ね」などの暴言なら暴言だけ。
歯磨きをしない、なら歯磨きのことだけを叱りましょう。

子どもにとって一番怖いのは関心を向けられないこと。
一日中叱られてばかりの子は、お母さんが次第に子どもの行動に慣れてきて、
あまり叱らなくなると、もっと悪いことをするようになります。
例え、叱られるのであっても、関心を向けてもらえなくなるよりましだからです。
だから、叱られてばっかりの子はどんどん悪い事を繰り返し、エスカレートさせてしまうのです。
だからこそ、「誉める」が重要なんです。
でも、誉めてばかりいると、子どもって調子に乗っちゃうんです。
なので、「誉める」と「叱る」は同じ量であるのが重要なんです。

子どもというのは、重点的に1つの行動を叱り、他の行動で誉められていると、
叱られている行動を減らし、誉められた行動を増やしてゆきます。
なので、叱っていた、「無くしたい行動10項目」のトップの行動を子どもがしなくなったら
トップを消し、2番目の行動を叱ることにします。
誉めていた行動も十分に増えたら、2番目の増やしたい行動を誉めることにします。

これは、きちんとノートか何かに記録をつけてゆくと、
子どもの成長が後から確認出来ます。
変化が分かります。
生活の中だと、子どもの成長って見落としがちですよね。
でも、きちんとリストを作って順番に叱って、誉めて、を続けてゆくと
後から「あ、こんな事、出来なかったんだ」とお母さんが確認出来る訳です。

上司と部下でも、夫婦でも、恋人でも同じです。
人は、誉められると「もっとやってあげよう」と思うようになります。
叱られたり、責められたりばかりだと、
「口を開けば文句じゃないか」と思うようになり、
関係は険悪になってゆきます。

だから出来るだけ、「誉める」ことで、自分も心地よくなれるのです。

お母さんたち、ぜひ、実践してみて下さい。

次回は、子どもにゲームを止めさせる方法について書きたいと思います。

児童相談所で出逢った女性たちのお悩み解決~子どものお金の持ち出し~

2016年02月02日

先日のブログで、万引きを繰り返してしまう子どものお話を書きました。

今回も、お子さんの盗みで悩み、とても長い時間をかけて解決されたお母さんのお話です。

お子さんは中学1年生の男の子。
お子さんは万引きではなく、家から家族のお金を持ち出すことを繰り返し、
お母さんは悩んでいました。
「私の財布や夫の財布だけじゃなくて、お兄ちゃんやお姉ちゃんの財布からもお金を盗るんです。
 仕方なく、全部の部屋に鍵をつけましたけど、ちょっとトイレに行くとか
 お風呂に入る時まで鍵をかける訳じゃないので・・・
 ちょっとした隙に盗ってしまうんです」
私がお母さんの話を聞いて、一番気になったのは、
息子さんがお兄さんの眼鏡を盗って自分の引き出しの奥に隠していた、ということでした。

自分に必要のないものを盗る。
これは盗みの中でも、重たい部類に入ります。

2回目は、息子さんがどんな育ち方をしてきたか、
そしてお兄さんとお姉さんの育ちについて詳しくお聞きしました。
「お兄ちゃんとお姉ちゃんは全然手がかからなくて。
 悪い事はしたことがないんです」
お母さんは言いました。私は尋ねました。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんの成績はどうですか?」
「2人とも、とても優秀です。何も言わなくても勉強する子たちで。
 こう言ってはいけないんですけれど、
 あの子がだけが問題児、というか・・・」

息子さんの心理テストを一通り終えた所で、
私はお母さんに
「申し訳ないけれど、出来れば、お父さん、お兄さん、お姉さんにも
 来てもらえないでしょうか?」
とお願いしました。
ご家族は私のお願いを受け入れて下さり、みなさん来て下さいました。
お父さんもお兄さんもお姉さんも、びっくりするくらい穏やかで、
お金を盗られたり、物を盗られたりで困っているはずなのに、
怒っている様子は全く見られませんでした。
そしてお母さんが、お兄さんとお姉さんをとても頼りに
していることが分かりました。

ご家族全員のお話を聞き、見えてきました。
私はお母さんにお伝えしました。
「おそらく、原因はお兄さん、お姉さんへの嫉妬だと思います。」
お母さんは言います。
「でも、みんなあの子には優しくしてるんです」
「それはとてもよく分かりました。でも、その優しさが、
 『自分だけが問題児』というコンプレックスを強めているのだと思います」
私はお母さんに提案しました。
「あまり、お兄さんお姉さんには負担をかけないようにしましょう。
 出来る限り、お金を盗れない環境を家の中に作るようにして下さい。
 そして、お父さんお母さんが出来るだけ彼と一緒にいる時間を増やして下さい。
 お兄さん、お姉さんとは違う、彼の良い所を見つけて、誉めてあげて下さい」
「分かりました」
お母さんはそう言って帰られました。

けれど、なかなか実行は出来ませんでした。
私の言っていることは、もちろん理解してはいるのだけれど、
気持ちが追い付かない。
子どもが問題を起こしていると、なかなか誉めることが出来ない。
これはあらゆるお母さんに共通します。
この「誉めると叱る」は重要なテーマなので後日詳しくブログで紹介したいと思います。

「とにかく、家族の誰かが、あの子と一緒にいるようにしてます」
そういう意味ではないのだけれど・・・
「それではお子さんは見張られているように感じてしまうかも・・・」

話は毎回、堂々めぐりになっていました。
おそらく、私の言っていることが、お母さんの中でしっくり来ていないのだろう。
私は私で反省しつつ・・・
でもお母さんは通い続けてくれました。すごいことです。
そしてお子さんも通い続けてくれました。これもすごいことです。

通い続けてくれる限り、絶対に解決できる。
私は信じていました。
そしてお母さんを励まし続けました。

気づけば、3年が経とうとしていました。
やって来たお母さんが言ってくれたのです。
「山脇さんの言っていた意味がようやく分かりました!」
家の中に金庫を置き、家族の財布を入れるようにした。
でも、それは「あなたの為だから」と息子さんにちゃんと説明した。
週末、お母さんかお父さんのどちらかが、息子さんと出かける。
家族が常に誰か一緒にいることはやめた。
「あの子にもいい所、いっぱいあることにも気づきました。
 優しい子なんです。
 私の具合が悪いと必ずお手伝いしてくれるし。
 お兄ちゃんとお姉ちゃんは塾やバイトで忙しいから、って」

素晴らしい。
何より、お母さんの根気が素晴らしい。

そうなんです。子どもの問題を解決するのには時間がかかるものです。
大事なのはあきらめないこと。
そして、私のアドバイスを理解し、受け入れてもらうのにも時間が必要だと
私自身がとても勉強になりました。

近日、「誉めると叱る」について、詳しくご紹介します!

今まで出会った女性たちのお悩み解決~夫婦喧嘩~

2016年01月25日

今まで働いてきた児童相談所では、お母さんたちのお悩みを聞くのと並行して、
お子さんたちの悩みを聞くのも私の仕事でした。

お母さんは悩んでいました。
高校生の娘さんが、夜中まで家に帰って来ないのだそうです。
塾の日もあるけれど、塾は夜9時には終わるのに、11時12時になってようやく帰ってくる。
「どこに行ってたのか、絶対言わないんです」
塾の帰りにちょっとお友達とおしゃべり。
そのくらいは構わない、とお母さんは思っているそうです。
「でも、女の子なんだから、夜遅くなると心配で・・・」
当然のことです。私は、どうにかして娘さんを連れて来て欲しいとお願いしました。
「連れて来れるかしら・・・」
お母さんは自信がなさそうでした。
実際、何度か連れて来れずにキャンセルが続きましたが、
どうにかお母さんは娘さんを連れて来てくれました。
「もう、仕方ないので、帰りに洋服を買ってあげることにして」
とにかく、娘さんが来てくれてよかったです。

私は娘さんと2人で話をしました。
一通り、私の仕事や児童相談所について説明をし、
心理の仕事についても説明し、学校や塾の様子などをお聞きしました。
学校も塾も楽しく通っているようでした。
そこは安心。で、思い切って聞いてみました。
「どうして、夜中まで家に帰らないの?」
彼女はちょっとふくれっ面になりましたが、
しばらく待っていると、答えてくれました。
「だって、お父さんとお母さん、喧嘩ばっかりしてるから」
あらあら。
「それは帰りたくなくなっちゃうね」
うん、と彼女は小さくうなずきました。
「話してくれて、ありがとうね」
私はそう伝え、お母さんに彼女の気持ちを伝える許可をもらいました。

「確かに、夫婦喧嘩は多いですけど」
お母さんもそのことは認めてくれました。
「でも、仕方ないんです。うちの主人、娘に私の悪口ばっかり言うんです。
 『お母さんうるさいね』とか『ケチだよね』とか」
あらあら。それは困りもの。
「お父さんに来て頂けないかしら」
夫婦カウンセリング。おそらくそれが一番必要。
そう思って、私はまずお母さんからお父さんにお願いしてもらう事にしました。

子どもって、ご両親の仲が悪いことをすごく嫌うんです。
だから、せめてお子さんの前では、夫婦喧嘩はしないでください、と
みなさんにお願いしているのですが、なかなか実行は難しく・・・

お母さんはさっそくお父さんに一緒にカウンセリングに行って欲しいと
お願いしてくれましたが、
「『忙しい』って断られました。」
これもとってもよくあること。
実際、日本のサラリーマンは忙し過ぎるんです。
諦めてはいけません。お母さんからの説得も続けてもらいつつ、
私からもお父さんに連絡を入れ続けました。

2人からの根強い説得で、どうにかお父さんは来てくれました。
「時間がないので手短に」
出勤前に寄ったというお父さんは最初に言いました。

夫婦喧嘩は確かに多い、ということはお父さんも認めました。
お母さんの事を悪く言うことも。
ですが、お父さんは言いました。
「こいつだって、俺の悪口ばっかりですよ。
 『お父さんみたいな人と結婚しちゃだめよ』とか。
 『お給料が少なくて苦労ばっかり』とか」
あらあら。
時々あるんんです。ご夫婦がお子さんにお互いの悪口を言っちゃう。

私はお父さんに夫婦喧嘩を子どもがすごく嫌がるという事を説明しました。
「このままだと、娘さんはもっと家に帰らなくなります。
 可愛らしいお嬢さんですから、犯罪被害に遭うことも考えられます。
 そして女の子の方が、非行はエスカレートしやすいんです」
「そうなんですか?」
「はい。女の子は一度崩れ始めると、あっという間です。
 中学生、高校生と分かっていても、風俗にスカウトする業者もいます」

さすがにお父さんも危機感を持ってくれたようです。
そう。まず危機感を持ってもらう事。
そして、お子さんの問題の原因はご両親にある、と理解してもらう。
これが、夫婦カウンセリングではとても重要です。

「とにかく、お互いの悪口を娘さんに言わないようにして下さい。
それが出来れば夫婦喧嘩は間違いなく減りますから。」

お父さんもお母さんも
「出来る限りやってみます」
と言って下さいました。

1か月後、お母さんと娘さんで来て頂きました。
「その後、どう?お父さんとお母さんには『喧嘩しないでください』
 って伝えたんだけど」
娘さんはちょっと考えて、答えてくれました。
「完全になくなったわけじゃないけど、前よりはましっていうか」
それは良かった。
やっぱり、子どもの為なら、親は頑張れるんですね。

お母さんも言いました。
「前よりは、ちょっと帰る時間が早くなりました。」
それは良かった。
「それに、言われた通り、私と主人が喧嘩しちゃった翌日は
 必ず、帰りが遅くなるんです。
 『私たちのせいだったね』って主人とも話して」
それは素晴らしい。

そうなんです。親が変われば子どもは確実に変わるんです。
だから、やっぱり子どもの問題は大人の責任。
そして、子どもを変えるのは親にしか出来ないこと。

そう信じて、お父さん、お母さん、頑張りましょう!

「いじめについて」の講演会

2016年01月25日

山梨講演会

山梨での「いじめ」についての講演会の写真を送って頂きました。
かっこよく撮って頂きました。

「いじめ」に関する講演会の依頼は、ずっと続いています。
先生方、お困りなんですよね。
少しでも、力になれるよう頑張りたいと思っています。